さよなら種田

トラジディ・ガールズのさよなら種田のレビュー・感想・評価

トラジディ・ガールズ(2017年製作の映画)
2.9
"今までで最高の夜"

2人の女子高生が殺人を楽しむ、というお話。

序盤から女子高生が何の躊躇もなく殺人を行うというかなり惹きつけられる新しい設定。

通常のスクラップ物よりは
美人女子高生が殺人を行う方が絶対に絵になる。

ただ今作においてはそこばかりを頼りにしすぎていた印象。

冒頭の男の子の頭がナイフで切られるシーンを見た瞬間に若干期待が薄まってしまったが
その後は映像の撮り方に工夫が見られ意外にも楽しめるスクラップシーンが多かった。


それでも中盤辺りで展開が生まれなくなって話が中々大きく動かない退屈さから
そのまま友情物語に着地点を置いてしまうのが良くなかったかもしれない。


思ったよりも彼女らの暴れ方が普通で他の作品と比べるとグロさなどもイマイチ。

頭が良い為作戦を立てる係という設定が全く生かされてなく
どの殺人も正直素人同然の方法で行われる。

想像も出来ない方法で行われる殺人を見せた方がまだ見応えがあると思うのだが、今作では行き当たりばったりの方法での殺人がほとんど。

その部分で一線を画そうという考えはこの映画にはないらしい。

最後はどんでん返しかのような展開にしたかったのかもしれないが
正直それほどの内容でもない上に
無理矢理な展開になってしまった。


個人的に設定勝ちしている今作にドラマ性のような物自体が不要と感じてしまった。

サイコパスな女子高生がどんどん殺人を行なって行くという内容でまとめるだけで良かったのでは…と思う。


恋愛要素であったり、友情ストーリーを無理に入れてしまうことで
軸がぶれている印象を強く受ける。


本作では主人公たちがSNSを利用しており、そのフォロワー欲しさに殺人を行っているかのように見える。


そういうSNSにハマる若者に対してのメッセージ性のようなものも
薄っすらと感じる作品であった。


辛口に評価しているがあっさり見る分には
何の文句もない作品ではないかと思う。
さよなら種田

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