ダミアン君に恋してる

グレタ GRETAのダミアン君に恋してるのレビュー・感想・評価

グレタ GRETA(2018年製作の映画)
4.7
愛すべき狂気のサイコママぁぁ!!!

想像以上にめっちゃくちゃ面白かった。
やっぱりニール・ジョーダン監督大好き♡♡♡

グレタのお家のアンティークなインテリアが素敵。あのピアノいいなぁ。メトロノームがいちいち鳴り始めるの面白過ぎる。まるでポルターガイスト現象。詩曲を指揮する狂気の調べ…ツボる!

劇中曲も全て良い。雰囲気づくりに盛り上がってとってもお洒落。サントラ欲しい。

ハンガリー出身であるピアノの魔術師フランツ・リストの名曲をテーマソングにしているセンスが素晴らしい。グレタの人物設定もそうだし、本作の儚さと夢の中でまどろむようなファンタジーな作風に良くマッチしている。今後は『愛の夢』『ハンガリー狂詩曲 第2番』を聴けば『グレタ』の恐怖が甦ること間違いなし。

優雅にクラシックピアノを作品の華に据えて来たかぁ~もう大好きすぎる!!

クラシック音楽家で一番好きなフレデリック・ショパンの『子犬のワルツ』も聴けるなんて嬉しすぎる♪あんな狂気のワルツになるなんて夢にも思わないwww ニール監督天才か!タラランラッタラ~♪あのシーンは傑作ですな!

しかも『愛の夢』『子犬のワルツ』どっちも自分がピアノの発表会で弾いたやつじゃん…猛特訓したあれだよー…馴染み深いのなんの。劇中のスパルタレッスンが他人事でないw

ピアノは純粋な音色で狂気を演出することが可能な楽器。繊細に感情豊かで、聴く(弾く)人の気持ち一つで違った曲に変貌する。今作を通して改めてピアノの奥深さを感じ取れた。

ニール・ジョーダン監督の作品はやっぱり童話的。残酷に少女の心を掻き乱し、その質感は幻想的で強烈な印象を残す。特に今作はブラックユーモアたっぷり!サイコスリラーなのにどこかコメディ。そして愛らしい。どちらかというと物腰柔らかな女性的な作風だよね。

そして一貫して「愛」をテーマに描いてる。

あんな展開にはなってしまったけれど、根底ではグレタとフランシスって凄く相性が良い気がした。グレタの愛情が歪んでなければとっても良い関係を築けたと思うのになぁ。神様のいたずら…かな。

緑のハンドバッグはお菓子の家の役割。グレタはか弱い少女を家におびき寄せる悪い魔女ってことになるのかな?超おとぎ話じゃん!

また恋愛映画ではないはずなのに、ロマンスに酔うように愛情に線引きのない、麻痺するような不思議な感覚がある。凄い!これがニール・ジョーダン監督の魔法かぁ♡

イザベル・ユペール様が主演の作品を初めて見た。気品あって魅力溢れる素敵な女優さんだった。綺麗な人が怖い役やるから説得力があるよね。

クロエちゃんは相変わらずキュート♡ユペール様と並ぶ姿がとっても画になっていた。本作で求められる所の"純粋で汚れのない少女"のイメージにピッタリ。

で!待ってましたのスティーブン・レイ様♡

まだまだ私の中でレイ様ブーム終わってません!ここ最近忙しすぎて彼の作品追いかけるのストップしちゃってる。ニール監督作品の常連さんってことで今回は探偵役。ちょい役ながら印象を残す役割なのは変わってませんね。

変わってないと言えば、お歳こそ召されてはいるものの、レイ様の雰囲気と立ち姿(特に後ろ姿)が昔と全然変わってない!トレードマークのクリクリ天然パーマヘアーも!この方がいないと作品が締まりませんねぇ。レイ様しゅてきっ♡

そして…。ん?その右手はまさか…?そのまさかだった!あんな風にカッコよく決めてくれちゃってテンション上がりんちょ~!監督よく分かってる~ぅ(*ノωノ)レイ様と言えばこれです。完璧でございます。これが欲しかったんです♡嬉しすぎ~!ありがとうございますっ!!

グレタとブライアンの探り合い&張り合いシーンがドッキドキだった。それを逆撫でする軽快なワルツ。不快で喜劇でめっちゃ好きなシーン!そして狂気に追い討ちをかけるような度々しつこいメトロノームwww 笑わせてくるの最高の最高!!!

本当に色々と面白過ぎた。
監督の音声解説付きで観たいなぁ。

私はまだニール・ジョーダン監督作を全て見終えているわけではないけれど、彼の作品群の中でも本作は間違いなく傑作だと言えるでしょう。
こんな風に絵本の世界に誘ってくれて、夢に見る心地よさと乙女心をくすぐってくれる味わい深さが私は大好きです♡♡♡

*☆Keyword*☆
『Gretarian Rhapsodies♬♩』