杉山敦

ジュリアンの杉山敦のレビュー・感想・評価

ジュリアン(2017年製作の映画)
5.0
2019年2月3日、新宿シネマカリテにて鑑賞。
とてもよかった。お勧め。

ジュリアンとは11歳の少年の名前。DV 、虐待をする父から逃れて母と姉と暮らす。冒頭の裁判所、「少年の陳述書は同意の上、両親にも公開されます」というところから、千葉の虐待死の悲劇を考えてしまった。どうか観てほしい。ホラー映画どころではない恐怖。
劇場内がこんなに静まりかえったエンドロールは初めて。それだけの恐怖を観客みんながスクリーン上の母子とともに体験してた。そして、ロビーでいまこうしてツイートしながら、現実にこの世界のどこかで、あちこちで虐待されてる子どもや女性がどうか逃げられますようにと願う。

放心してて、ロビーのソファから立ち上がれないー。DV 父役の俳優がものすごく怖かったので、『デトロイト』で暴力差別警官役の俳優がほかの出演者たちと笑顔のオフショットを公開してたように、あれが映画の上の役だとわかる写真とか見て気持ちを落ち着けたいよ。
DV や児童虐待、それとこの映画とは関係ないけど性暴力加害者は狡猾だ。裁判所も騙される。声をあげられない被害者がいることを常に考えていないと。
杉山敦

杉山敦