なると

ジュリアンのなるとのレビュー・感想・評価

ジュリアン(2017年製作の映画)
3.9
親権がどちらになるかの話であり、親の問題ではあるが、タイトル通りこれは息子のジュリアンの辛い状況を示していると思います。

ラストに至るまでの父の積み重なる狂気は見てる側にも強く恐怖を覚えます。こういうのが実際にいるんだと思うと怖い人がいるもんだと思いますし、理解できない面も多いです。でも父親も父親をしたいんですよね。全く共感をするつもりはありませんが、子供を愛したい上で、間違った方向にいってしまう親。そういう人も多いのかなと思います。

そしてジュリアン。両親の離婚裁判のある意味起点でもありますね。両親の親権のために、振り回されてしまうジュリアン。ジュリアンの心情を考えるだけで心が痛いですね。それだけで両親は子供のこと考えてるのかと疑ってしまうところはありますが、母親は子供を守りたい一心で闘ってるわけで非常に共感できますし、応援できました。

映画自体、驚くような展開はなく、シンプルなものではありました。しかし、離婚する夫婦の話に重きを置くのではなく、ジュリアンの表情・行動を多く見せながら話が進んでいくところに上手さを感じますし、ジュリアンに寄り添えたと思えます。
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