あもすけ

ジュリアンのあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

ジュリアン(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレのチェックを入れたのに、できるだけネタバレをしたくないと思ってしまうくらい、順番に知っていくことに沢山詰まっている感じがした。知って思うこともそうだけど、知る前に思っていたこともそうで、思っていたんだということ自体に詰まっていて、でもそれは、知ってひっくり返った拍子に、簡単になくしてしまえるものな気がして、そういうひとつひとつがなるべく消えないようにと、丁寧に描かれているように感じた。そのぶん派手な衝撃を食らったりとか、そういう驚きはなくて、ただそれぞれの道理が積み重なっていくことが何よりも救われなくて、とても辛くて、具合悪くなるくらいだった。入り込んでしまって、恐怖も極限まで、それくらいの体験で思ったことも、あくまで目撃していただけだということ、当事者ではないということ、そこまでをやられたことの見事さに大きく息を吐きながら、味わった恐怖の余韻がいつまでも消えてくれない。やるせなくて、どこにも救いがないからこそ、求める気持ちでなんとか少しでも見つけたい。
あもすけ

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