ずーっと観たかった映画。弱者に優しくない世の中。最初の離婚の取り決めで負けた時から"最悪の日"に向かってる。
まだ11歳なのに母親を守ろうと必死に嘘をつくジュリアンの姿に心を痛めまくった。母親と父親の板挟みになるシーンが多くてまじで辛かった。特に新居を知られ家を教えろ、と父親がジュリアンに迫るシーンは思い出すだけで怖い。あの状況で嘘をついて逃げたジュリアンは凄いよ。
最後の10分ぐらいは、息をするのを忘れるぐらい緊迫していて恐怖を超えてる。ホラー映画よりホラー。冷静さが完全に欠如した大男に女性と子供が立ち向かえるわけない。あんなクソ男が野放しで幼い息子と2人きりだった日が何度もあったなんて母親は考えたくもないだろうし、ジュリアンの身になって起こったことを思い出すだけでトラウマになりそう。
あとこの映画はストーリーも然ることながら、俳優陣が素晴らしい。父親役のドゥニ・メノーシェの殺気立った演技には鳥肌が立った。ジュリアンを演じたトーマス君は、父親に対する嫌悪感や必死に恐怖に耐える演技が完璧。目で演技をしていて驚いた。これからの活躍が本当に楽しみだなぁ。
