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劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-のardantのレビュー・感想・評価

4.0
この作品の清々しさは、若者たちの成長とそれに伴う巣立ちの物語だったからだろう。そうして、出演者達自らが、十年の間に、築き、繋いできた絆がスクリーンの中からひしひしと伝わってきた。

本来のメインである山下智久や新垣結衣を全面に押し出さず、戸田恵梨香などの周辺の人物にスポットを当てた構成も、素直に好感が持てた。

相も変わらず、レビューの中には、テレビドラマを下に見る風潮が散見する。映画はそんなに偉いもんではないだろう。

『港町』などのノンフィクション作品を作ってきた想田和弘は、映画を観るという行為を、「映画が映画館で観ること前提としており、映画館の暗闇で、大勢の人々が一つのスクリーンを見つめ続けるという形態こそが、映画という芸術様式の核心にあり、そこに観客の交感がある」と述べている(18/02/14,朝日新聞夕刊)。

日曜日の朝にもかかわらず、映画館はほぼ満員だった。それが、この作品に対する一般人たちの期待の表れだし、その期待には十分に応えたと思える。
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