人種のるつぼ
ダンサーの個性と協調・融合
それが私の知るモーリス・ベジャール・二十世紀バレエ団だった
あらゆる民族で成り立つこのバレエ団の群舞はまさにスペクタクル!
圧倒的な集団としての力強さに、個々の妖艶な人の魅力が加わる
その芸術に対峙をすると、いつも身体の底がカーっと熱くなり、自然と涙が溢れて仕方がなかった。
大阪中之島のフェスティバルホール、バレエはチケットが高くって、回数を観に行けない。ただ2階の最後列だけは学生席として3千円で解放されていたので、よくひとりで観に行った。懐かしい…。
スイス、ローザンヌに本拠地を置く現在のバレエ団。ベジャール亡きあと、その想いを継ぐ愛弟子がベジャールバレエ団として存続をしている。
今作は、ベートーベンの『第9』とのヒュージョン
そのテーマは“死と再生”
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ベジャールは円環を好んだ
サークル・円の概念
彼の踊りは、精神世界を描く
つまりは、帰着するのである
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そのバレエが、かのベートーベンと融合する
それも『第9』
昇りつめる前の破壊と甘美
そして第4楽章
人の声や息づかいに身を委ねる演者
人の声で踊るのは気持ちが良いのだそう
そうだろう!そうだろう!
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ダンサーはベジャールの世界を“中毒”と称する
踊るほうも観るほうも酔える幸せ
生のパワーがみなぎる人間の祭典
創世記より人は集い舞ったはず
きっと人間の生来の性なのだ
ラストのサークルに
最後列だから観られる全体構図の美しさを思いだした!