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共犯者たちのkazu1961のレビュー・感想・評価

共犯者たち(2017年製作の映画)
3.8
▪️Title : 「共犯者たち」
Original Title :「Criminal Conspiracy」
▪️Release Date:2018/12/01
▪️Production Country: 韓国
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2020-139
▪️My Review
2作続けて珍しくドキュメンタリー作品を鑑賞しました。「サッドヒルを掘り返せ」のような感動的な作品ではなく、韓国の政治の暗闇を描いたある意味怖い作品で、至極のエンターテインメント作品です。
李明博政権・朴槿恵政権の約9年にわたるメディアへの介入、これに迎合する韓国放送公社(KBS)や韓国文化放送(MBC)の上層部、彼らの「共犯関係」と闘うプロデューサーやジャーナリストらを描いています。
最近の韓国作品が国家権力を糾弾する作品もありますが、これは事実、やはり韓国の国家権力の歪みはリアルですね。
本作でも行われた愚行は、
・弾圧に抗議する現場記者ら200人以上の解雇
・政府発表のみを重視したことによるセウォル号沈没事故直後の「全員救助」の誤報
・崔順実ゲート事件を当初無視していた事実
などが取り上げられています。
監督は2012年にMBCを解雇された崔承浩。
これだけ正面から国家権力の愚行を暴き出すそして、それが映画され、観客動員数26万514人を記録するのも韓国ならではですね。日本では一部『新聞記者』などか国家権力のメディア介入を描いた作品はありますが、このようなドキュメンタリー作品が創られることは創造もできません。
この社会派ドキュメンタリーは、結果としては至極のエンターテインメントで、日本に置き換えればどうなのかを考えさせられます。
また、『タクシー運転手 約束は海を越えて』『1987、ある闘いの真実』などの骨太作品の完結編のような意味合いも持った作品ですね。

▪️Overview
イ・ミョンバク(李明博)とパク・クネ(朴槿恵)政権の約9年間にわたる言論弾圧の実態を告発した韓国製ドキュメンタリー。2008年、米国産牛肉BSE問題などの報道によって国民の支持を失いかけたイ・ミョンバク政権は、公共放送局KBSや公営放送局MBCをターゲットに、メディアへの露骨な介入を開始。政権に批判的な経営陣は排除され、調査報道チームは解散、記者たちは非制作部門へと追いやられた。両局の労働組合はストライキで対抗したものの、政権が送り込んだ新たな経営陣は解雇や懲戒処分を繰り返し、検察も容赦なくストを弾圧。両局は政府発表を報じるだけの「広報機関」となったが、それでもあきらめない本物のジャーナリストたちがいた。自身も12年にMBCを不当解雇されたチェ・スンホ監督と非営利独立メディア「ニュース打破」取材班は、韓国のジャーナリズムを骨抜きにした「主犯」と、権力に迎合した放送業界内の「共犯者たち」にカメラを向け、その実態と構造を明らかにしていく。(引用:映画.com)
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