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モリのいる場所の62355cinema5のレビュー・感想・評価

モリのいる場所(2018年製作の映画)
4.1

No. 92

仕事帰りにレートショーで観たので、寝落ちするかなぁと思ったのですが全く心配無用でした。
名優 山崎努&樹木希林版「人生フルーツ」ですね。
また良い邦画に出会うことができました。

30年以上も自宅から出ずに、庭に棲息する虫、猫、鳥、メダカなどの生物に眼差しを向け続けた実在の画家、熊谷守一(モリ)の一日を描いた人間ドラマ。

冒頭の陛下のお言葉「これは何歳の子が描いた絵ですか?」
確かに、そう言われてみれば...

でも、私自身も先生のことをよく知らずに作品を観たわけですが、その生き様に深く感銘を受けた作品でした。

映画の中で語られる先生のエピソードは、どれも興味深くユニークなもので...

以下、ネタバレありです。












・画家と言うより、和製ファーブルのような趣で、自然観察を続ける姿勢。
随時見られる昆虫の接写シーン(カマキリ、尺取り虫など)がモリと同じ目線に私たちを据えてくれる。ところで、アリは本当に左の2番目の足から歩き出すのか?

・はるばる信州からやって来た旅館の主人のために看板を書写するが、やはり先生はMy Wayを通して...

・文化勲章の内示を受ける場面で、ドリフの話題になったと思ったら、即ギャグでアッサリと伏線回収される潔さ。この監督さん、そんな方なんですね。

・昼寝は、庭先にゴザを敷いて... 何ともワイルドな先生、笑。

・昼間に無断で上がりこんでいた正体不明の男が、晩方ケムール人もどきになって宇宙への誘い(お迎え?)にやって来る?一体何だったんだ!?

...など 他にも全く飽きることのないものばかりでした。

しかも、一日に起こった出来事という設定が新鮮で、平凡な日々の繰り返しの中に、生きることの意義を見つける大切さに触れたようでした。

最後ですが、「もう一度人生を繰り返せたら、オレは何度でも生きるよ。今だって もっと生きたい。生きるのが好きなんだ」と妻に語る先生の言葉が特に印象に残る作品でした。