芸術家熊谷守一の晩年を描いたドキュメンタリー。自然に満ちた日常を色彩豊かに描いた作品。見るならブルーレイがオススメ。主演である山崎努と樹木希林でかなり見応えがある。
以下ネタバレ感想を。
前述した通り山崎努と樹木希林の演技を堪能できる作品。特に山崎努は杖を使った歩き方や食べる仕草など非常にリアルで見逃せない。
他にも加瀬亮やきたろう、三上博史など自然な演技をする俳優の面々が出てくる。加瀬亮は少し変態チックなところがあり、ぐるりのこと。を若干彷彿とさせた。三上博史はまさかの宇宙人になり、序盤の登場から少し浮いた感じがしていたのはそのためだろうか。
他にも各おばさん方や警察官など誰もの演技がすばらしかった。
物語そのものはくせものな名画家のとある忙しい一日、を描いたような作品で淡々としていてとても地味。
ラストのとんでも宇宙人な展開はファンタジーになってしまったのが脱線したかと思ったが、所謂淡々とした日常ものはつまらなくなりがちなのも前述の俳優陣の演技力故かなり見応えがあった。
山崎努演じるモリはかなりくせがあるが愛らしい人間的人物で、アリのくだりなど生きることの本質に迫った芸術家的側面が見られる良作だった。