マシュウ

モリのいる場所のマシュウのレビュー・感想・評価

モリのいる場所(2018年製作の映画)
4.0
"上手は先が見えちゃいますから。ヘタも絵のうちです。"30年間庭から出ずに晩年を過ごしたという画家・熊谷守一と彼を取り巻く人間味あふれる人たちを描いた物語。

下高井戸シネマで観ましたが完売満員で立ち見まで出るほど。八割が年配の方々でしたが人生経験豊かで酸いも甘いも知っているためか「笑うべきシーンでしっかり笑う」暖かい雰囲気で観ることができた。これは映画館で映画を観るときに自分にとって非常に重要な点で、この雰囲気があることで一層没入感が増し満足度が高くなる。

この映画をおもしろいと思える感性を自分が持っていて良かった、そう思える映画でした。庭はモリにとっての小宇宙なんだけれど、ラストでマンションの上から藤田カメラマンが俯瞰で庭をうつすシーンがあって、そこがとくにすき。他人からみたらこんなにも小さい世界なんだけど、モリからみたら一生かけて観察してもしきれないほど広い場所だった。わたしもいつか、縁側で猫を撫でながら虫や鳥を観察したり摂理について考えたりして地位や財産などの俗世から離れて生きたい。