冒頭から植物や生き物のカットが延々と続く。主人公である画家の生きる目線、ペースに、まずは呼吸を合わせる事を強いられる。
裕福な家庭に生まれたが、極端な芸術家気風で結婚しても一切絵を描かず、赤貧の為に五人の子のうち三人を亡くし(それを絵に描いてる)画家として売れたのは老境に差し掛かってからだと言う。30年家を出ないなんて事より、こっちのエピソードが強烈過ぎて構えて観てしまった。
この映画のペーソス溢れる雰囲気は、ここに至る上記のような話を知っていた上で、向き合う類いのものじゃないだろうか?
若い時に踏み切りでの自殺に遭遇し、轢死という作品を描いたというのも気になる。
樹木希林が目当てで観た作品だったが、この主人公の人生や作品にすこぶる興味が湧いた。
茶の間でのドリフ話は昭和感の為だろうけど違和感がある。高木ブーのファンなんて当時小学生に一人もいなかったぞ。