おさるのじょじへい

モリのいる場所のおさるのじょじへいのレビュー・感想・評価

モリのいる場所(2018年製作の映画)
3.8
平成でさえ過去になっていくけれど…。
40年ちょっと前の昭和。そこまで昔じゃないのに、こんなにも懐かしく、あたたかっだったのかとしみじみ。無機質な現代に憂いを感じてしまいました。
静かになった夜の熊谷家は、盆過ぎに親戚が去った実家のようで、なんだか淋しかったなぁ。あの雰囲気で、最後に心を持って行かれた気がします。”学校”の正体もまた然り。

アップを多用した撮影法は好きではないのですが、今作の寄りの映像はとても効果的。やはりアリを見るなら、アリの目線にならなくっちゃね。こんな演出もコミカルさも、のほほんさも沖田監督の世界そのもの。賛否はあると思いますが、作品にここまで自分の色が出せるとは、できるようでなかなかできないことではないでしょうか。

浮世離れしたモリと秀子なはずなのに、なぜでしょう。山崎さんも樹木さんも演技をしているとは思わせない自然さ。すごいです。
まさしく名優ですねえ。