mh

橋のない川のmhのレビュー・感想・評価

橋のない川(1969年製作の映画)
-
部落問題を扱ったベストセラーの映画化。
いわれなき負の差別を表現するのに天皇を持ち出した勇気がすごい。正の差別も描いたことで、この問題の根深さに気がつくことができる。
このあたりは共産党員だった今井正の面目躍如だと思ってたら、登場人物のモデルとなったひと(のちの活動家)たちは、途中転んで国家社会主義運動を展開することになるのだそうだ。
この映画も第一部は、部落解放同盟からのカンパで制作されているけど、第二部は日本共産党と水平社が袂を分かってしまって思うような映画製作にはならなかったとのこと。
人間、いろいろあるね。
「夜になると体が冷たくなると聞いたからそれを確かめたくって手を握ったの」という告白すごい。牽強付会への違和感がシンプルなショックに打ち消される。
また普通に農家をしている設定も効果的だった。原作はどうだったのか興味湧く。
北林谷栄と伊藤雄之助というスーパーサイヤ人同士が争ってるのをバックに、人間の役者さんたちも頑張っててバランスが良かった。ここまで子役がちゃんと機能している邦画は実際珍しい。
第二部も楽しみ。面白かった!
mh

mh