チッコーネ

追龍のチッコーネのレビュー・感想・評価

追龍(2017年製作の映画)
3.7
香港スター競演だが「アメリカや韓国制作の、70年代を舞台にした犯罪映画」を踏襲する作風。
好爺キャラが目立つくらいで、香港映画に受け継がれてきた独特の演出法は希薄…、観進めやすいのは確かなのだが、やや複雑な気分になった。
大陸との共同製作が当たり前になった時代の、新潮流なのかもしれない。

とは言え決してつまらない作品ではなく、警察権力とマフィアが手を組んでいたという、70年代後半までの香港を窺い知る面白さあり。
無法地帯・九龍城砦内の景観や生活について巡らす想像を補うという意味では、資料価値が高かった。
また頻発するアクションには、さすがに香港映画の伝統が脈々と息づく。
特にやられ側が魅せるハードな「受け」の巧さに、驚かされた。
ドニー・イェン組のスタントマンで、本作ではそれなりに目立つ役をもらっているユー・カンがイケ熊。