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追龍のmaroのレビュー・感想・評価

追龍(2017年製作の映画)
4.0
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:72/113
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★★☆
    音楽:★★★☆☆

本作は実話ベースの映画のようで、ン・セイホウも実在の人物らしい。

で、警察はいるけど、黒社会と結託しているから、まるっとみんな悪だよね。
正義と悪の対立ではなく、まさに悪を貫く男たちの話。
だから、基本暗いし男臭い。
日本だとヤクザ映画に近いかなー。

でも、シリアスかと思いきや、前半はジャッキー・チェンの映画に近い雰囲気もあってちょっと笑えるところもある(笑)
それが、後半にかけてどんどんシリアスに向かっていくから、その変化は印象的だった。

ひとりは麻薬王に、ひとりは警察上層部にどんどん出世していく、欲望と自己顕示欲の強いギラギラした男たちの物語は、僕はその生き方にあんまり共感はできないものの、"男"よりも"漢"っていう雰囲気が好きな人はハマるかも。

終盤のバトルシーンの派手さはさすが中国と香港の合作映画だなって思うし、任務の途中で命を落としていく仲間たちに対する悲しさと悔しさに震えるドニー・イェンの演技もよかったし、個人的にはアリだなと思う映画だった。

ただ、登場人物が多い上に、その思惑が交錯しまくるから、「あれ、あの人なんだっけ?」っていう状態になっちゃうのはある(笑)

また、当時の香港の社会情勢がうかがえるのも勉強になるね。
正義のない無法地帯の中で、香港人たちのイギリス人に対する遠慮と、イギリス人の香港人に対する差別的態度を見ると、当時の香港には絶対行きたくないなって思う。

でね、僕は『イップ・マン』を観てからドニー・イェンがすごく好きになって、完全にジャケ買いの勢いでこの映画を観たのだけど、本作も2割ぐらいイップ・マンだった(笑)

だって、セイホウ強いんだもん。
詠春拳こそ使わないものの、殴る、蹴るの暴力が強すぎ。
まさに「型を使わないイップ・マン」。
しかも、『イップ・マン』シリーズで刑事役だったケント・チェンも出てるしw
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