蛇らい

ジョン・ウィック:パラベラムの蛇らいのレビュー・感想・評価

3.6
サイバーパンク的な色使いの街並みの中で、イマジネーション溢れるアクションを滝のような勢いで繰り出していく。全編通して80%くらいそれなのでこんな贅沢はない。続編のためにこのアイデアは残しておこうとかそんな出し惜しみは一切ない。良いアイデアは新鮮なうちに使っちゃえみたいな精神が瑞々しい映像になっているのだと思う。

動物を使ったファイトスタイル、『悪女/AKUJO』を想起させるバイクに乗りながら刀を振り回すアクション、そこにあるもので十分だみたいな武器の地産地消。基本になる武術の型などない、彼が生み出したネオカンフー。最高でした。

ホテルの受付のアイツがファイトしてくれたのがよかった。あと1番アツかったのは、弾切れとか武器を紛失したときに、一旦武器庫に戻って補充するっていう発想。今までのアクションシーンでありました?戦闘前にたらふく準備していったり、敵の武器を奪うみたいな展開は山ほどあるけど、手元になかったら在庫を取りに行けばいいみたいな発想大好き。超強力防弾チョッキを着せた機動隊をぶち込む感じも好き。

今まで三部作が作られているが、それぞれがオリジナリティを持って独立している。毎回斬新なアイデアとジョン・ウィックという人物像の哀愁に拍車をかけるキアヌ自身の哀愁。そこに誠実に応えてくれるので、無条件で次作も観たいし、見届けなくてはいけないような責任感でもある。彼があったかい布団で気持ちよく眠れる日が来るまで見守り続けます。
蛇らい

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