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サニー/32のohassyのレビュー・感想・評価

サニー/32(2018年製作の映画)
3.0
「お金と時間を使うから、映画はなるべく楽しめる方がいい」

白石監督の作品に求めたいこと。
信じられないほど愚かなキャラクターが想像を超える愚をしでかして各方面に迷惑や被害を与えるも、いつしか自分にしっぺが返ってくる滑稽さ。
実話の一部を切り取って示してくれる解釈の小気味よさ。
暴力と安っぽいエロス。

本作のことは勝手に実録モノと思いこんでいて、観ていてだんだんと「なんだかおかしいぞ?」と思うようになって、観終わってからフィクションだと知ることになった。
NEVADA事件という実際の事件に着想を得ているらしいけれど、ストーリーは完全な創作のようだ。

それで色々理解できた。
この映画は前半と後半でかなり違う色をしている。
まるでドリームキャッチャーみたいだ、と言ったら言い過ぎか。
あの映画は本当に別の映画みたいでびっくりした、ぜひ観てもらいたい。

そのくらい前情報を持たずに観たので、それなりに楽しめた。
予告編を一度見た程度。
後半登場する有名女優が出演していることも知らず、登場した時はちょっとしたサプライズだった。
やはり映画はなるべく情報を入れずに観るのが一番だ。
そうすればだいたいの映画は楽しめる。
これは確信だけれど、「こうあって欲しい」という勝手な期待が大きければ大きいほど、映画は楽しめる確率が下がるというもの。
だって、何も知らずに観始めたらトムクルーズが主演だった!なんてことになったら、それだけでおおっ!ってなるでしょう。
観る映画を選ぶ以上そこまでは無理だとしても、映画を楽しみたいならとにかくなるべく内容は知らない方が良いのです。
レビューはあとで読む方が楽しいし。

それにしても設定とストーリーに乖離があるなと感じていたら、パンフレットに「これはアイドル映画です」とあって、なるほど確かにそうかと。
設定が実話をモチーフにしていたりショッキングなせいでなかなかそこに気づくことが難しいけれど、企画の成り立ちは「セーラー服と機関銃」なんかと同じだ。
それならそういう楽しみ方もあるというものだ。
お客さんを選ぶから宣伝でそう謳うのは避けたのだろう、白石監督ファンを取りこぼすだろうし。

でも正直なところ、僕ももう少し期待してた。
安っぽいエロスを。
同じことを期待している少数派にこれだけは教えておくと、そういうのはほぼないぞ!


今予告編を見直したら門脇麦ばっちり出てた、我ながらなんという記憶力。
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