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サニー/32のmatsuitterのレビュー・感想・評価

サニー/32(2018年製作の映画)
2.4
すいません、まあまあでした。

以下ネタバレ。

全体的に。

前半のハードな雰囲気から予想した流れにならす中盤からはっちゃけコメディ感が。ネットのガチャガチャした世界観を映画的に表現しようとした編集やBGMはかなり頑張っていた。演技もかなり頑張っていた。そういう挑戦要素の多い映画です。

好きなところ。

ピエール瀧とリリーさんは相変わらず最高の存在感。麦ちゃんも後半の僅かな出演時間で抜群な役を演じていて素晴らしかった。

白石監督の持ち味である乾いた現代的ないやらしさは本作では新しい切り口で迫っている。ネット番組や掲示板、ドローン撮影、小学生の会話など挑戦的で良かったです。

ネガティブな点。

主演の演技は冒頭の先生が1番しっくりしていて、教祖化の大声あたりからちょっと。。最後に撃たれた後とか普通に歩いてるしまるで痛そうに見えないのは残念。

脚本的には麦ちゃんの存在が超面白いのに結局最後のほうとか全然生きてこない。もっと物語りに絡んでほしかったなぁ。アイドル出演とかネットを絡めたりとか現代的に素人犯罪+教祖誕生をやっていたわけだけど、なんか各要素が伸びきらなかったんよね。。

映像編集的にも惜しい。私は神聖かまってちゃんのファンで、ネット配信時の未編集感が好きなんだけど、この映画的な表現だとぜんぜん勢いがない。前半の一部だけは良いんだけど後半が全然乗れない。結局映画のフォーマットって堅くて合わないねーって思ってしまった。

映画でやるならもっと気取ったかんじにとか思ったり。例を挙げるのが難しいんだけどウォンカーワイの天使の涙みたいなイメージビデオ的な編集とか。かっこつけまくって高尚な芸術にしてしまうなら映画はMAXのメディアだなと。

白石監督の次回作に期待します。
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