ホイットモア大統領

サニー/32のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

サニー/32(2018年製作の映画)
2.3
ピエール瀧事件、及び『麻雀放浪記2020』の予習として鑑賞②

ピエール&リリー&白石監督の『凶悪』トリオに、拉致監禁モノということで期待してたのだが、ジャーマンスープレックスと見せかけた放り投げ映画だった。

本作も『凶悪』同様、2004年に長崎で起きた実在の事件に基づいてる。
小学生が同級生を殺害する事件が発生。マスコミが使用した写真から「犯罪史上もっとも可愛い殺人犯」としてネット上で神格化された、通称サニー。そして14年後、24歳の誕生日を迎えた藤井赤理は何者かに拉致されてしまう。果たして彼女は本物のサニーなのか?

サニーとして監禁される藤井を演じるのが元AKBの北原里英。ヘタウマな感じが逆に雰囲気に合った味を出しており、そのまま精神が崩壊、もしくは覚醒し、血みどろバイオレンスを繰り広げるのだと思っていたら、かなり斜め上の方向へ。
この展開は総選挙1位を取れなかった者への “救済” なのかも。秋元康もPとして噛んでるみたいだし。

で、斜め上に進むのはいいけど、風呂敷を広げるだけ広げて(文字通り)飛んで終わりってのはどうなのよ?
あと、ちらほら見受けられる現実離れした描写がさむいし、なおかつネットを使う人たちを流石にバカにし過ぎ。主要人物たちも各々がサニーにハマる理由も薄っぺらいし、門脇麦もあれだけ???そもそもそこ、どこなんだ笑

白石監督はきっと、本作で何かしらの実験をしたかったんだろうと思う。
それは『孤狼の血』のように、既定路線を越えるやり方ではなく、最初から違うベクトルで進むもの。この場合、上手くいけばカルト作として永きに渡って楽しめるんだろうけど、今回は残念ながら単純に面白くなかった。

とにかく、本作のそれがいつか何かの形で活かされることを期待したい。