さびしんぼうの作品情報・感想・評価

「さびしんぼう」に投稿された感想・評価

自分としては、母親とは顔も性格も似ていない女性を好きになってきたと思っていたが、実はどこか似ていたのだろうかなんて観た後に考えてしまった。でも逆に、母親の忘れられない恋の相手のイメージを、息子に押し付けてる気もして、そう思うと少し気持ち悪い。

所々のギャグにはあまりハマらず、主人公が百合子に言うセリフなどには引いてしまったが、木魚とピアノのコラボは斬新で好き。

小学生くらいの時に、女の子にオルゴールをプレゼントしたのを思い出した。
公開年に劇場鑑賞。

大林宣彦監督作品は苦手な部類に入るので、さすがに記憶がない。
ウメダ

ウメダの感想・評価

4.0
やはりショパンの曲は映画に合うよなあ。別れの曲が映像とマッチングしていた。
それと、富田靖子さんえらい可愛いぞ!
Tak

Takの感想・評価

4.5
心の中に大切にしまっておきたい思い出のようなもの

「"さびしんぼう"は両性具有のコンセプトで、人を愛することは淋しいことだという大林の感性が育んだ造語なのである」(Wikipedia より)
405

405の感想・評価

4.6
放課後に赤い着物姿に着替えてメザシを買う少女が、この世にいるのかね!特殊な好みを刺激されました。とてもいい感動映画です。樹木希林とオウムの演技が、爆笑できます。まだ少年の尾美としのりの演技が上手すぎる。

このレビューはネタバレを含みます

「でも、飯に味噌汁ぶっかけて、刺身とたくあんぶっかけてさ、ポテトサラダまぶして食うなんて、俺だけだろうなこの世の中で。」

何故かこの台詞にハートを鷲掴みにされた。何気ない生活の中からポロリとこぼれた何気ない一言。この何の変哲もない言葉にとても愛着が湧いた。彼の性格や周囲の環境、家族関係が一瞬にして把握出来るシーン。こういうナチュラルなカットは一見簡単に見えるが、中々難しいと私は考える。

私は本作をあまりにも表面的に受け止めてしまったが故に、作品に含まれる奥深さを解説無しでは完璧に理解することが出来なかった(お恥ずかしいですが)。しかしながら、『さびしんぼう』の魅力は、言葉からだけではなく、登場人物の行動、仕草、表情、置かれているシチュエーションや、音楽からも、淡い思春期の恋心やほろ苦さを受け取れることだと思う。

《表面的に私が享受した魅力》

1.環境と暮らし
・放課後に理科室ですき焼きをグツグツ料理し、ピンセットを箸代わりにして牛肉をハフハフ頬張る。それを注意しに来た理科の先生も遠慮なく食べてしまう。
どんな時も板チョコを持ち歩き、意味もなく幾度もバク宙する奴、学校のカバンに長ネギをさしている奴。そんな男友達と悪戯ばかりする毎日。こんな高校生活を送ってみたかったと羨ましさを抱きつつも、悪ガキらしい青春劇に参加出来る自信がないことに気がついた笑。しかし、彼らのシーンはコメディ全開で観ていて何度も笑ってしまった。
・商店街、山、湖、林、木造の建築物、石造りの階段、サントリーニ島の如く建物が丘の上に密集している景観。どれも温もりと懐かしさと昭和の味がでている。のどかで、日本らしいが異国の地の様なミステリアスな世界観。同じ尾道が舞台だが『時をかける少女』とは異なり暖色系の街並みが印象的だった。
・お正月にはかるたをして、着物を着て、冬はセーターに下駄を合わせて、節分は大豆をお供にそぞろ歩きする。粋だな。時代だな。尊いな。消えかけている伝統に則って暮らすことへの意義を再認識した。

2.キャラクター
私ごとだが、ここ数年観てきた映画の中で1番タイプの男性が本作の主人公井上ヒロキ(尾美としのりさん)であることに気がついた。声のトーン、敬語とタメ口をきちんと分ける話し方、コロコロ変化する表情、純粋さと直向きさを感じさせる姿勢、豊かな感受性、文学的センス、そして大人っぽさ。人間味あふれる素敵なキャラクターだった。

そんなヒロキと“おふくろさん”との関係も凄く魅力的だった。高校二年生の息子が母親に向かって”おふくろさん”と呼びかけるシーンは何度観ても新鮮で、微笑ましかった。母親も、エッチな本を見ている息子の肩に手を回し、ふむふむと一緒にちょびっと見てしまうお茶目さがあり良い。この独特な浮世離れしている親子関係は誰が見てもチャーミングと捉えるだろう。

3.監督
ファンタジーに至るまでの過程がなんとも大林監督らしい。何が起こるのだろうという期待感の高め方、勿体振る演出がとてつもなく上手く、好きだった。今作では監督特有の奇抜なCG演出を一切使用せず、ごく平凡な空間で生じる超自然的な現象をベースにしている。その為、恋愛や過去の儚さと成長や別れの確実性が相まって、ノスタルジックな切なさを演出している。さらに、”監督の自伝的色彩が強い”とウィキペディアに記されている通り、作品からは強い愛情をひしひしと感じた。

「人が人を恋うるとき、人は誰しもさびしんぼうになる。」

✴︎ 黒い涙が印象的。おそらく一生忘れない。
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