ゆーさく

ミクロの決死圏のゆーさくのレビュー・感想・評価

ミクロの決死圏(1966年製作の映画)
3.4
描きたいことだけ描いて、済んだらさっさとエンドロールに突入。
要らぬ余韻もセンチメンタルも完全に排除したスマートな映画。


アメリカに極秘技術を提供するため亡命してきた東側の科学者が、襲撃を受け昏睡状態に。

彼を助けるためには、外部からでは切除出来ない場所にある脳の血栓を取り除かなければならない。

主人公たち5人のチームは、潜水艇プロテウス号に乗り込み、ミクロサイズに縮む新技術を使って、体内へ浸入し、直接血栓を取り除くという作戦に挑む。



「人間は外宇宙と内宇宙のちょうど中間にいる」というセリフが劇中に出てくる。

それは、我々の外側に広がるマクロの宇宙と、体の中にあるミクロの宇宙のこと。
そう言えば、草なぎ剛も言ってたな。「俺の胃袋は宇宙」って。


そのセリフ通り、人体の内部はまさに宇宙的な神秘の世界。
1966年当時の精一杯の技術を駆使して、人体の内部宇宙を表現してる。

そして、その映像はレトロでありながら、なかなかに野心的。CGで作るよりもずっと実在感あって、良い。


白血球怖っ!抗体キショッ!!とか、

そんな感想を抱かせる映画って他にないと思う。


作戦を外から見守り、指示を出す政府側の軍人たちが有能過ぎて格好良い。
「アポロ13」で言うところのヒューストンポジション。

途中、無線が使えなくなった事にうろたえてたけど、察し良すぎて別に無線要らない。
まるでその場にいるかのように、的確に主人公たちの行動を把握しまくる。

物語がハッピーエンドなのは、彼らの勘の良さのおかげ。


そういえば、医療チーム助手役のラクエル・ウェルチはもうワンサイズ上のウェットスーツ無かったんでしょうか?
オッパイ、パツンパツンなんすけど…


…と思ったらこれわざとだったんすね。
客寄せに貪欲な製作者のスタイル、嫌いじゃないです。
ゆーさく

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