さかもとりょうま

最初で最後のキスのさかもとりょうまのレビュー・感想・評価

最初で最後のキス(2016年製作の映画)
4.2
これから始まるこの子たち3人の関係と青春ライフに期待をさせるポップで軽快なオープニングに早速引き込まれていく。

空間を利用したワンカット撮影が印象的で、特に図書室や廊下など、この映画に必要不可欠な青春要素を自然に感じさせる。

前半、時折入るCGに若干違和感を感じつつも、徐々に打ち解け合い3人の絆が深まっていく様子はどこか自分の青春時代を思い出させてくれ、むずがゆくて甘酸っぱい気持ちになった。

そうそう、このくらいのときって「友達になろう」ってなるものじゃなくて、くだらないことで笑いあえばもう自然に「一緒にいるのが当たり前な人」になるんだよなぁ。

この3人もきっとたまたま一緒に過ごすことになった3人。

でもそれぞれがそれぞれの悩みや葛藤を抱えていて、息苦しくて、「青春」という沼にもがき、その沼から抜け出せず、歯車が狂い始める。

二度と戻らないからこそ美しい。
どんな青春時代も、きっと大人になれば、
まるで額縁に飾ったような、それはそれはきれいな絵の一部だったと思えるだろう。