uca

最初で最後のキスのucaのレビュー・感想・評価

最初で最後のキス(2016年製作の映画)
3.9
はあ、、胸にグサグサ刃物刺されたような重たい鈍痛がずっと続く感覚、、なにこれ、、
はみ出し者たちの青春?ウォールフラワーみたいな感じか と思って観てたら全く違った。
予備知識なしで観たからラストの衝撃がすごいのなんのって。
なにより実際に起きた事件が基になってる事を知れてよかった。

中盤の、観てるこっちが「ずっと続いてほしい」と願ってしまうほどのハッピーで最高の青春。
すごく楽しそうで、ちょっとダサいところがリアルなダンスシーンはどれも素敵だったし、3人でディナーパーティーするシーン、ペンキ塗るシーンもだいすき◎
音楽もとてもよかった。

ロレンツォの「僕は絶対に自殺しないよ」という言葉が忘れられない。
だからこそわたしはアントニオを許せなかった。。
彼なりに悩み、もがき、苦しんだ結果だとしても。
アントニオの弱さはわかる。ロレンツォを受け入れられるほどの心のスペースがないことも。
ただでさえ閉鎖的な田舎の中の学校っていう狭い世界で、当事者たちはそこで起こることが世界の全てで。チームメイトからの心無い言葉や、お兄ちゃんのこと。
そんな環境のせいもあるんだろうけど、それは理由にはならない。
この事件で誰も悪くないって言う人はかなりのレイシストだとわたしは思う。
もし何かがひとつでも違っていれば、、としか考えられないなあ。

ロレンツォはちょっと変人だけど あんな中でもちゃんと自分を持って、好きな服着て、悪口言われても笑顔で中指立てちゃうの最高だった!
この前見た「ワンダー 君は太陽」にも共通する、辛い時に幸せな空想をするのが 楽しくもちょっと切なかったり。

ブルーが動画見せられたところからの流れが同じ女性として本当に見ていられないほど辛かった。

後半の 何が起きてるか明確に映されないけど、確実に何か起こってるであろう描写とか音楽が精神的にジワジワきつかったなあ。

高校生は本当に多感な時期で、多かれ少なかれそれぞれが複雑な事情を抱えてるもの。
誰にでも起こりうる物語として、自分の中に深く刻まれた作品。
人生は"もしも"の連続で成り立っているんだ、と改めて思い知らされた。
uca

uca