このレビューはネタバレを含みます
🦋のシャツかわいいね!
元ネタを知ってるからどちらかがそうなるのはわかっていたし、途中からなんとなく読めた展開ではあるのだけど……ズガーンとくる。
これだから田舎は……っていうか、根本的に取り巻く人間が知的でない悲劇。
たしかにね、アントニオが悪い。絶対にだ。
こんな風にならずにすむ道があったんだよ。
周囲が浅はかであるのと同じくらいに、ロレンツォもブルーも愚かだったと思うしさ。
けどね……つらい……
理屈や道理ではすっきりできないつらさ。
ロレンツォのパパが彼を施設から引き取った理由として言った「君のことが気に入ったから」この全肯定感!なぜこうあれないんだろうね。
イマジナリー兄やら理想の彼氏やら、若しくは人気者妄想に救われることでギリギリ保ててたくらいに実は切迫した状況を、なぜどうにもできなかったのか。
彼らの繊細さが悪いわけではないし、彼らを阻害するその他大勢だって似たようなもんなはずよね。この年代って。
誰だって何かしらの歪さや自意識は抱えているわけで。未熟さが攻撃性になってしまう心理はわからなくもなかったりする。
だがらこそ!凝り固まった偏見と同調圧力を憎んでしまうのだけど。
最後まで見た後に、あのキラキラしてた三人を、あのキスを、もう一度見たくなる。