Kachi

ターミネーター ニュー・フェイトのKachiのレビュー・感想・評価

4.1
【個人的にはT2を超えたターミネーター続編】

ネタバレをなるべく見ないようにしながら、今日を迎えて鑑賞。(過去作の予習もバッチリ)

私にとっては納得のT2の続編でした。
以下、ネタバレになるのでご了承を…


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◯未来は幾度も変えられていた…

T2まででJudgement Dayは免れ、人類は救われたと思っていたが、その後も度重なる「本来訪れる予定だった未来への修正力」とでも呼ぶべき現象で、何度も未来から過去へターミネーターが送られるという前提が、物語冒頭で提示される。

気がついたらサラな息子ジョンの生死は、未来社会の人類の存亡には関係がなくなっており?、未来は何度も変えられていた。

この走り出しは、過去作をしっかり観ていた多くの鑑賞者に衝撃をもって迎え入れられたはず。

◯時代を反映した映像技術と設定

T2が公開されたのは1991年。前作に比べて予算が積まれたとは言え、現代の映像技術に触れていた自分からすると、時代の制約を感じざるを得ないところも多々見受けられた。

それが本作では、かなりしっかりと作り込まれている。アクションシーンも去ることながら、演出もCGも感動。流石だと感心しきりだった。

また、後半になって明らかになる未来のダニー像は、まさにサラと大きく異なる点で時代を感じた。20世紀という時代もあってか、サラはあくまでも未来のリーダーとなる子(ジョン)を産む存在。彼女自体は大したことのない(nobody)であるが、ダニーは、彼女自身がリーダーとして機械との闘いに臨む。「あー、まさに時代が設定を変えたのだな」と感慨深かった。

◯またしても赦しの物語
シュワちゃん演じるターミネーターは、ジョンを殺めたことの意味を20年以上掛けて学んだ。(ここのあたりのセリフが絶妙なのは、あくまでも人間的にそのような感情になったわけでなく、文字通り機械学習してそれに近い感情を理解できるようになった)

そして、あのエンディングを迎える。I won't be back. と人間の「家族」に別れを告げ、ダニーを狙うターミネーターはTerminateさせるとともに自らも役割を終える。For Johnという言葉を残して。

シュワちゃん演じるターミネーターは、贖罪として自分の目的を完遂し、サラもその様子を認めて最後には「彼」を赦すに至る。ここのところ、さまざまな映画で赦しがテーマになっているなと改めて痛感した、そんなラストに染み入った。
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