テロメア

ターミネーター ニュー・フェイトのテロメアのレビュー・感想・評価

5.0
久しぶりにターミネーターシリーズの続編を観られた、ようやく続編が出た。『ようやく物語が進んだ』まさにそれですよ。それに尽きます。大々的に『正統な続編!』と煽るだけありましたよ。

はい、そうです。僕はターミネーターシリーズを一作目からのオールドファン(老害って言われてもいいくらい一作目と二作目が好きだ!)です。

しかし、オールドファンであるがゆえに、実は今作を観るのをかなりためらいました。ためらいました! ためらいましたさ! だってさ、二作目以降はそれなりに楽しめるのに、何だか常に不完全燃焼感があったんですよ。それが何なのか説明できない引っかかった感じ…。それを今作では早々と解消してくれたのが、オールドファンとして心地良かった。

さて、僕と同じように何だかんだでターミネーターシリーズを網羅してはいるオールドファンにとっては、ちょいとネタバレ致しますが、これを知っていれば観る気倍増し目が爛々とすることを保証致します。しかし、それを自ら観る、何も言うでないという方は(特にオールドファンの方は)、ここから先はご自身の目でお確かめください。きっとその方がいいですから。

ネタバレされるよりも、自ら観ての方が無量大数倍楽しめるのですから。しかし、今まで期待に対して失望と失意と諦めが続いたシリーズですから、オールドファンの僕も観る前はかなり、かなーり根性が要りました。しかし、妻が「とりあえず、好きなシリーズなら観よーやぁ」と言ってくれたので、勇気が出てみたのでありました(ちなみに妻はターミネーターシリーズはほぼ知らない人。だけどなぜか『ターミネーター3』は観ていて「大丈夫!」と謎の鼓舞をしてくれました。うん、謎の鼓舞…)。



さて以下、オールドファンのための背中を押すためのちょいとネタバレです。もう一度、自分でご確認した方が無量大数倍楽しいのですが、それでも…という今までのシリーズで痛い目に遭って観る勇気が枯れてしまっているオールドファンへ、オールドファンからこれだけはネタバレ致します。


以下、ちょいとネタバレ!


はい、上記で感じていた二作目以降のもやもやの正体、それは『スカイネットの存在』であると、今作は早々と提示してくれます。

つまり、一作目と二作目で頑張りに頑張ったサラ・コナーの戦いは無駄ではなかった。そう、スカイネットが支配する未来は完全に変えられたのだ、という最大のサラ・コナーに対する救いが最初の方に提示され、未来から来るのは全然違う問題を抱えた未来人である、と。

そう、今まで全シリーズ観て感じていたのは、何をしてもスカイネットが審判の日を作り出し、人類はターミネーターと戦う未来しかないと、今からすれば一作目と二作目の苦労の全否定だったところに、映画としての達成感が打ち消されるというところから始まるから、いつまで経っても何作映画が続いても、結局、無駄なんでしょ感が漂っていたんだとわかりましたよ。

今作はサラ・コナーの努力は無駄ではなかったという一作目と二作目の肯定から始まるがゆえに、その後に現れる別の未来を背負う新しい登場人物にも、スッと気持ちを入れられました。

そう、思い返せば一作目の何も知らない弱い守られる側の女性から、二作目での当時では居なかった戦う女性という変貌を遂げスカイネットを数々の犠牲を払いながら倒した。しかし、三作目では結局はスカイネットは何度でも蘇るのだ。で、四作目は前日譚と観るか三作目の続きと観るかはいいけど、とりあえず物語は進まずであった。で五作目は…何というか…どや、なんでもありなんやぞ、ふーはははは!的な絶望感に僕を包んだ…(一番の絶望は吹替版にて玄田哲章さんに「アイルビーバック」と言わせたのには…これは鉄板ギャグか? と混乱困惑錯乱したけど、その台詞はさ、シュワちゃん本人の英語で聴くよ。吹替版はさ、「すぐに戻る」で良いんですよ。ちなみに、今作はご安心を。芸能人素人は吹替版にいないし、ちゃんとプロ声優たちもしっかり日本語で喋っていましたので!)。はい、絶望三部作でしたよ。いろんな意味で…。

しかーし、シリーズ六作目にて本家のジェームズ・キャメロン監督が製作陣として帰ってきて、予告では老サラ・コナーが出てくる。期待値はマックス…だが、今までがあるがために恐々だったけど、観てよかった。ほんとよかった!

オールドファンこそ、観てほしい!
しかし、さすがなのは今作から観ても面白いようになっているのはさすがです。ターミネーター3しか知らなかった妻が、めちゃくちゃシュワちゃんかっこいい! と言ってくれたのは、オールドシュワちゃんファンとしてとても嬉しいことでした。


感無量…!


そしてシリーズもので一番してはいけないことがよくよくわかりましたね。つまり、物語は進まないといけないし、シリーズの前作での苦労は報われないと観た観客も、あれは徒労かよ…となる。ゆえに物語は進めないといけないし、シリーズ前作の苦労は報われた上で、新しい物語を紡がないといけない。それが出来ないなら、シリーズとして続編を作るべきではない、と。

こんなに二作目から今作までを酷評致しましたが、それぞれいいところはある。しかし、上記のことをクリアしていない以上、物語は進んでない停滞だと今作は提示致しました。

ゆえに、これからシリーズものへの今後クオリティーが上がることを願いつつ、今作はオールドファンにこそ、そして新規さんにも一緒に観て楽しめるエンターテイメントに仕上がっておりますので、尻込みしているオールドファンの方にこそ、同じオールドファンとしてお勧め致します!

少なくともオールドファンの僕と、あんまターミネーター知らない妻との総意として、スコア5です。お勧めですよ、ぜひぜひ!
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