船頭多くして船山に登る
そもそも、最初からみんな
手をあげりゃよかったんだよね。
まー、ただのB級ホラーだとしか
思われてなかったから、しゃーないか。
結果、誰も手をあげなかった。
それが悲劇だった。誰も悪くない。
ターミネーターを作ったオライオンは
実質もう、ないし、財政難で次の
ターミネーター2はコロンビア映画傘下の
トライスターになった。
じゃあ、ターミネーター3は
コロンビア映画かと思えば、
今度はワーナーブラザーズだし、
上手くいかなかったワーナーは
ガラッと方向を変えて、
ターミネーター4を作るんだけど、
やっぱり失敗した。
次に手をあげたのが何故か
パラマウントで、ターミネーター
ジェニシスが作るんだけど、
やっぱり失敗して、で、今作でも
パラマウントは、もうワンチャレンジ
とばかりに、手をあげるんだけど、
20世紀FOX、つまりディズニーも
今回は絡んできてね。
最初は誰も手をあげなかったのにね。
オライオン、コロンビア、ワーナー、
パラマウント、そして、ディズニー。
この世界に、そんなシリーズはないよ。
船頭多くして船山に登る。
会議やプロジェクトや会社で
一番やっちゃいけないことじゃないか。
社会人1年目でも知ってる。
ターミネーター・ダークフェイト。
シリーズ？で初めて映画館をスルーした
作品。DVD化されたので視聴。
半分くらい義務感で観る。
今やたいして思い入れもない。
予想より格段に面白かったよ。
そこまで酷い作品でもないと思うよ。
アクション映画としては見応え充分
だった。まず、役者が頑張った。
特にRev-9のガブリエル・ルナ、
グレース役のマッケンジー・ディヴィス、
いいねー。新しい発見だった。
Rev-9とグレースの攻防は
スピード感もあってよかった。
Rev-9の復活する感じの不気味さ
良かったね。いっつも書いてるけど、
もう少し焦らしてもいい。
不穏な感じ、もっと長くしていい。
いろんな場面があって
絵に変化はあったけど、
もっとシンプルでもよかった。
ターミネーターの良さは
（しつこさ）だと思う。
（不気味さ）もある。それが
ターミネーターの本質だと思う。
追う者も追われる者。その構図。
その執念深さ。場面の変化が多いと、
少しその（しつこさ）が薄れる。
別にシュワルツネッガーが出なくても
そのシンプルな構図としつこさと
不気味さえあれば、シリーズに思える。
僕はね。
キムタクがいなくても月9は作れる。
マーク・ハミルがいなくても
スター・ウォーズは作れる。
こだわっているのは、
自分の足に足かせをつけているのは、
コロコロ変わる作り手ではないのか？
サラとジョンは30億人を救った。
そのことは誰も知らない。
これ以上のハッピーエンドは
これからも、ないのだから。
映画単体としては、面白かった。
驚異的なVFXに目を見張る。
アクションシーンも楽しかった。
終盤、画面が暗すぎるのと、
失速した感は否めないが、
全体としては面白かった。充分。
サラ・コナーは自ら『聖母マリア』と
名乗るシーンにニヤリとしてしまう。
救世主ジョン・コナーのイニシャルは、
J.Cになる。そして歴史上最も有名な
このイニシャルを持つ人物はイエス・
キリストになる。
たしかイエスも救世主と呼ばれていた。
母の聖母マリアは
（この世の者ではない）男の子供を
身篭った。その子は救世主になった。
そして、最後の審判（審判の日）。
第1作目の輪郭は、新約聖書の輪郭に
酷似している。
もう一つの本質はここにある。
サラには王女の意味がある。
聖母マリアの従者の女性の名だ。
旧約聖書に登場する、信仰深い人は
すぐにビンと来ただろう。
アメリカ人は救世主の奇跡が好きだ。
しかしアメリカ人はこうも思っている
かもしれない。
奇跡は何度もいらないと。
