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小公女のnyakoのレビュー・感想・評価

小公女(2017年製作の映画)
4.0
小公女の韓国版なのかと思ってたけど、現代版小公女とのこと。
主人公は家事代行サービス業で生計を立てている女性ミソ。
演じるイ・ソムが表情ひとつひとつ魅力的で目で追ってしまう。

手作りランプシェードに、
テーブル代わりのスーツケース、
壁にゴキブリがカサカサかさーって出てくるような極貧生活。
寒くてもストーブ無しだから、恋人と抱き合おうとしてもあまりの寒さに春まで待とうって言う始末。
生活は苦しいが、たまのバーでの美味しいウイスキーとタバコに安らぎを求め、愛する恋人もいて、日々心は充足している。

でも、タバコも家賃も値上がり…値上がり。
とうとう家賃を支払えないはめになるも、日々の糧となる少しのウイスキーとタバコは諦められない…。
今よりさらに安い住居へ移る敷金捻出のため、昔のバンド仲間の家に泊めてもらおうと訪ね歩くも、
それぞれの友人たちとミソとの考え方のギャップが浮き彫りになっていく…

みんなミソよりも裕福そう。
だけど、みなそれぞれ大変そうで…
友人たちの暮らしぶりはバラエティに富んでる。
なかでも元ボーカリスト宅でのミソ危機一髪!エピソードが1番面白かった。

泊めてくれてる友人と揉めるワンシーンでの一言。
家賃も払えないのに、ウイスキーやタバコの嗜好品にお金をかけるのが理解できない、って確か言われてたかな?
この友人の気持ちもわかる!実際それのためにこの子が居候してるからね。
でも節約、節約って毎日生きてて、楽しみも諦め、ただ生きるだけなんてそれだけじゃ…。
友人の言葉にも共感、そしてミソの気持ちにももちろん共感、どちらもわかる!

周囲の生き方に流されず、揺るがない自分を持つ主人公。それでいて他者の生き方は尊重し、優しく見つめる目を持つミソ。
その日その日は崖っぷちなのに、なぜか友人たちよりも自由に生きている。
そんな主人公のようには生きられないけれど、憧れを感じずにはいられない。
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