紅孔雀

フランス特殊部隊RAIDの紅孔雀のレビュー・感想・評価

フランス特殊部隊RAID(2016年製作の映画)
4.0
多分ほとんどのレビュワーさんは同意されないでしょうが、本作、久しぶりのフランス喜劇映画の傑作だと思うんです。
ルイ・ド・フュネスの『大混戦』やジャン・ポール・ベルモンドの『リオの男』(本編でベルモンド主演『道化師』のDVDをヒロイン達が視聴する場面あり)のノリと言ったらいいんでしょうか。ワンテンポずれた大人の笑いなので最初は面食らいますが、徐々にその独特のペースに巻き込まれ、途中から吹き出すことしきりでした。
例えば、フィアンセは欧州一のタイヤ企業の跡取り、自分は内務大臣の娘。彼は寛容、自分は美人。この理想的シチュエーションで残念なのは、彼女がフランス特殊部隊RAIDに入りたいと願っていること(!)でありマス。その動機が、母親が死んで世界を救わねばと思い込んだため、というあたりも強引でよろしい。そしてここらで笑えたら、あなたはもう本作の笑いと波長がピッタリ!ということです。
後は、齊藤陽介(モアイ顔の名脇役。分かります?)似のRAIDリーダーの困惑ぶりや、直属の上司の女性不信(何せ、妻が兄と駆け落ちしたので無理もない😄のですが)などを楽しめばいいのでアリマス。特に笑ったのは、ヒロインが射撃の訓練中、標的の下腹部ばかり撃ってしまうのですが、それが伏線となって後半効いてくるあたり。
2017年フランス国産映画NO1ヒットは伊達ではない、と納得。これもまた「みんなの意見は案外正しい」という心理学理論の証明なのでしょうか?
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