アズマロルヴァケル

フランス特殊部隊RAIDのアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

フランス特殊部隊RAID(2016年製作の映画)
3.8
意外に良作だった痛快アクションコメディ映画

・感想

この映画、海外版の予告編を観たら分かるのですが、中身は正義感が強いのにどこかおっちょこちょいなジョアナの活躍を描いたコメディ映画です。なのでジャケットのようにシリアスに展開される感じではありません。

https://youtu.be/05qHBDBuxrY

実はこの映画の海外版予告編をレンタル日前から事前に視聴しており、自分としては期待値が高かったこともあって予想通り、予想以上な出来ばえにエンドロールが流れる思わずこの作品に拍手を送ってしまいました。

というのも、特にアリス・ポール演じるジョアナが吹っ切れてると言わんばかりにコミカルな動きをしたりひょうきんな台詞回しをしていて面白く、とにかく抱腹絶倒でした。

例えば、海外版の予告編にもあるのですが、ジョアナの内務大臣の父親のボディガードにちょっかいを入れるシーンはまさに最高。ハキハキとボディガードの首にチョップを入れてるところなんかはもう何度でも笑えます。あと、訓練中にジョアナがフェイスパックをしたまま訓練に励んでいるシーンなんかは「なんでクラスメイトの男性陣は誰も指摘しなかったんだよ!」って思ったし、ジョアナがテロリストの潜伏先で張り込みをしているのに急に無邪気にモニターのグラフを見ながら声を大きくしたり小さくして遊ぶところはこれまた最高でした。

しかしながら、ジョアナ以上にインパクトがあったのはテロリスト集団「レオパール」のリーダー、ヴィクトールでした。最初に忽然と喫茶店で国際治安総局の男性と偽ってなんも前触れもなく隣にジョアナと知り合い、なおかつLGBT(正確には同性愛者)に変装して他のテロリストと共にジョアナの家でジョアナと恋人のエドワードの母親と食事をするシーンなんかはこれでもかと思うほど楽しませてもらいました。

ただ、唯一引っ掛かったのはジョアナがRAIDとして働こうとすることに否定的な父親に対して自立を見せる描写は良かったものの、ジョアナと恋人のエドワードとの関係がいまいちストーリー上回収されておらず、むしろエドワードがジョアナに本音を話せたけどジョアナとウジェーヌが一線を越えちゃって、結局ラストになると、エドワードの出番が終わっていたのでもうちょっとウジェーヌとエドワードが絡んでくるシーンがあったらより良かったかなぁと。


とはいえ、今まで観たコメディ映画と比べて比較的にエロネタや下ネタは控えめであり、ポジティブに描かれているのでそんなに真面目なシーンはないものの、カップルや家族揃って観れる隠れた良作でした。

これをレンタルした自分は本当に正解だった。