ノラネコの呑んで観るシネマ

運命は踊るのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

運命は踊る(2017年製作の映画)
4.4
両親が、息子の戦死報告を受け取るところから始まる物語。
さすがサミュエル・マオズ、切り口がとても面白い。
戦死の話は直ぐに間違いだと分かるのだが、激昂した父は直ぐに息子を連れ戻せと軍人を怒鳴りつける。
その頃息子はほぼ無人の“戦場”で、シュールな日々を過ごしている。
原題の「Foxtrot」はダンスのステップ。
前へ、前へ、右へ、後ろへ、後ろへ、左へ。
どこまで踊っても必ず元に戻ってくる。
分かりやすい三幕にわかれた映画には、ダンスの様にいくつもの運命のループが組み込まれていて、それが家族の歴史と絡み合い、三幕それぞれの“今”を形作る。
監督はギリシャ悲劇が作りたかったそうだが、自らは与り知らない運命に翻弄され、どこかに行こうとして結局どこにも行けない人間たちの織りなすドラマは、たしかに悲劇的でなおかつ滑稽。
関係ないけど、イスラエル軍のレーションてあんな不味そうな缶詰だけなの?
ブログ記事:
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