キッチー

運命は踊るのキッチーのレビュー・感想・評価

運命は踊る(2017年製作の映画)
3.8
皮肉な運命...

何が幸いするのか災いするのか分からない。滑走路のような道。荒れ果てた土地で検問を行う若者たち。遊び回る若者たち。戦時下という緊縛した状況で運命は流転していく。
戦地に赴いた息子を待つ親たちもまた、運命に翻弄されていく。

誰が悪い訳でもない。運命とはそういうものなのかもしれない。結局、今幸せな人が今まで幸運だったというだけなのか。
戦争だけではない、災害、事故も同じ。自分の行動だけでは避けられない運命があると考えさせられました。

父親の激昂する姿、悲しみに暮れる姿、そして深い後悔。感情が伝わってきて苦しかった。息子の書いたイラストのラストは悲しかった...

戦闘地域から離れた検問所では大掛かりな戦闘はなく、静かなシーンが続きますが、ちょっとしたことで一転インパクトのあるシーンに変わるところ、すごいですね。この監督の非凡さが感じられました。

重苦しいストーリーの中、のんびり歩いている駱駝が印象的でした。
キッチー

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