くぅー

運命は踊るのくぅーのレビュー・感想・評価

運命は踊る(2017年製作の映画)
4.0
うーむ、こういう運命や戦争の描き方もあるのかと、しみじみ見終えたが、いろいろと隠し味だらけの本作・・・これも一見の価値はあると言いたくなる仕上がり。

三部構成からなる展開は、一部では息子の戦死の訃報が両親に伝えられ、それぞれに動揺する二人だったが、数時間後に誤報と言われ、憤りから父親は息子を帰還させろと軍に言い放つ。
一転して二部では戦地の息子が描かれるが、のどかな検問所に従事し、退屈な日常の繰り返しだったが、仲間のたった一言の誤報で悲劇を招き、後悔の念を抱える中で、帰還命令を受ける。
そして、三部、再び両親が映し出されるが、まさかの驚きの息子の事実が見えて来て、同じく兵士も経験した父親のある告白もあり・・・運命って言葉をしみじみ噛み締めることとなります。

凝ったカメラワークに美しい映像、様々なディテールにニヤリなエピソードに、アニメも使ったりと、緩急も冴えて、飽きさせない展開にはなってるかと。

"何のために戦うのか"、"戦争は何でもあり"等のお馴染みの台詞もあり、しっかり考えさせられる結末。

そう、原題は"FOXTROT"で、そのダンススタイルの意味することに納得し・・・そして、人間とは対極の生き方をしてるラクダの登場の妙。

お見事でした、イスラエルのサミュエル・マオズ監督・・・過去作も見なければ。

P.S.
愛犬を蹴ってはいけません。
くぅー

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