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ダウンレンジのsssのネタバレレビュー・内容・結末

ダウンレンジ(2017年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます


長文で酷評してます…すんません


「若い男女が限定された空間で次々に殺されていく」って映画は世に数百本あるだろうが
その類に属するいわゆるジャンル映画を日本人監督がやってくれたのは素直に嬉しい…

だが!!

とにかく北村龍平監督の演出スキルがお世辞にも上手いとは言えないレベルだって事がよくわかる作品になってしまった。

使い古された設定で、
しかもシンプルな物語で、
空間も限定的となれば、
こんなに監督の手腕が問われるんだなと。
本当に誤魔化しが効かないんだなと。

これがまだ若手の映画監督ならまだしも、
今まで何十本と映画を撮ってきた人が
まさかこのクオリティーとは…驚きです。

例えばこの類の映画だと
最初の5分間くらいで登場人物がどんな人間なのか説明するシーンが必ずあるわけ。
それがないの。開始5秒でタイヤがバーストしちゃうから。
いやいやまずは車内の彼らの会話を見せろよ。キャラを紹介しろよと思うわけ。
ビッチ系の女、根暗な女、
チャラい男、オタク男、
そういうキャラ立ちが全くない。
監督は本当にジャンル映画が好きなのかなーって疑ってしまうほど。

で、それがないから緊迫するシーンでハラハラしないわけ。
ハラハラの映像だけをビジュアルとして見せられても、
その人たちに感情移入できてないから、
こっちはふーんって感じなわけ。

でね、今作は主人公が誰だかわからないように作ってるわけじゃん。それは誰が最後まで生き残るかをわからないようにする為なのは分かる。エイリアンもそういう構成だから。
まーたぶんそれがやりたかったんでしょう。
これやると他の演出で補わないといけないから諸刃なんだけど、まぁ100歩譲っていいよ。

でもね、そんな事よりもダメなのはね、、
黒沢清監督が「映画で重要なのは段取りだ
」と言ってたんだけど
それが正に当てはまるわけ!
とにかく段取りが悪いの!!

あ、パンクしたかも!って思ったらまず車降りてタイヤ確認するじゃん?
しないの!!
全員クルマから降りて、やれやれ、とかやってて、誰もタイヤをチェックしないわけ。
普通みるでしょ!
あーやっぱりパンクだわ。釘刺さってるわ。
とかさ!
なんかそういう普通の流れで当たり前にでてくる描写がないのよ。
そういう小さいノイズが多くて気になってきちゃうわけ。

普通こういう映画はさ、
さてこういう状況です!さぁどうする!
どうやってここから生き延びるか!
ってことじゃん。
だから物語の進行は、観客の考える速度とせめて同じか、それより2歩先に行くべきなの。
でもこの映画ね、2歩遅いわけ…泣
だから見ててイライラするの。
暗くなるまで待てば?
煙使えば?
とかはこっちはとっくに思い付いてるの!って感じじゃん

相手の居場所を知る為に動画撮って、あ、木の上だ!ってわかるシーンもさ、何回も動画を再生して何回も見せるわけ。で一時停止して、ダーン!ってSE鳴ってスマホ画面にカメラが寄っていったりして、
しつこいよ!!わかったよもう!!
さっさと先行けよ!!って。
イライラする。
初見でこれだけイライラするんだから2回目みたらヤバイと思う。

あとは警察ね。バカすぎでしょ!!
無線が通じないってナニ?
ここ管轄でしょ?
あり得ないでしょ。

もうバカすぎてこの文章書きながら呆れるほどのクソ映画だなって思ってきちゃった。。

いや、でも褒めるところもあるよ。
80年代ホラー映画を彷彿させる音楽は良かった。(てかいまそういうブームだけど)

あとは不必要なグロ描写も良かった。
脳みそ垂れてるのとか、
穴の空いた頭蓋骨の中にカメラがグーーッと入っていくところとか。
特に好きなのは、タイヤが死んだ男の頭蓋骨を踏んでいくところね。
そういうグロテスク描写は良かったよ。
最近そういうの見てなかったから嬉しい。

あとあのラストもジャンル映画ぽくて好きだった。

でもそのくらいかな…
結局ビジュアルとかで驚かすだけで、
人間描写とか段取りは下手すぎ。
中身が空っぽ。あの頭蓋骨みたいに。
ジョンカーペンターの足元にも及ばない。

てかこの映画は「ザウォール」にとても似てる設定だけど、この映画見て「ザウォール」がどれだけ優れた映画かってことが再確認できた。
それが確認できたので良かったかな。
ありがとう、ダウンレンジ


最後に北村龍平監督のオールタイムベストを貼っておきます
厨二病まるだしで最高です

北村龍平(08年版)

①マッドマックス2

②エイリアン2

③ハイランダー/悪魔の戦士

④ファンダンゴ

⑤ヤング・ゼネレーション

⑥暴走機関車

⑦アビス/完全版

⑧コマンドー

⑨ランボー/怒りの脱出

⑩炎のランナー
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