ちょっと、待ってよ……なんで……なんで俺、泣いてんだよ……。
2回観に行って2回とも泣いた。
これはホラーであってホラーではない、観賞後、胸がすっきりする青春映画。
約3時間という、あろうことか無印の全編に匹敵する長尺に怖気付いたものの、案外早く終わったな、と感じた。回想がくどいくらいに差し込まれているが、そこにも恐怖演出バッチリであまり苦ではなかった。過去と現在の切り替わりもスムーズでわざとらしさがなく、とても描き方が丁寧だな、と思う。
中華料理屋のシーンや、ミラーハウスのシーン、銅像のシーンなど、恐怖を求める人には十分すぎるほどのびっくりシーンが目白押し。心臓の弱い人は、というかそもそもホラーが得手でない人は見てはいけない(戒め)
そしてホラー満載のくせに、随所にグッとくるシーンをぶち込んでくるから、観てるこっちの情緒が迷子。演説シーンと手紙シーンがもう……。
ここまで書いといてなんだけど、事前情報は一切入れずに、前作のみ見てから挑んだ方がいいかも。不意打ちの方が感動もひとしおなので……。
悲劇がこれでもかと続いたあとのあの爽快感……。なんていうんだろう、カタルシス?これには無印ファンもニッコリですわ
無印で物議を醸したあのラストもある意味健在。俺は好きだよ、かに道楽。
なにはともあれ不覚にも泣かされてしまった良作。これにて21世紀版「It」は完結となるが、リメイクの名に恥じない素晴らしい前後編だった。ありがとう監督。ありがとうスティーヴン・キング。
↓微ネタバレかもしれないです
ペニーワイズの最後の言葉を聞いた時に、憎らしさと悔しさとがごちゃ混ぜになって、そこでまた涙が出てきてしまった。
ペニーワイズは、27年前と何も変わらないと思ってたんだな。でも彼らは、過去の自分の弱さを克服していく。「変化」する人間の芯の強さを感じる、思ったよりも深い台詞なのかもしれない。