harunoma

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。のharunomaのレビュー・感想・評価

2.8
とにかく長い。2時間49分
6.7人のチーム・ルーザーズ全員のエピソード(属性)が懇切丁寧に一応、説明される。こいつらはX-MENとかスタートレックとかマーベルでもやりたいのかと思っていたら本当にSF的な描写ばかりだった。幻視の感じはまま X-MEN: ファースト・ジェネレーションだし、「太古から街の下に眠っている何か」とか、近年のエイリアン(『プロメテウス』)やスフィアみたいなことになってくる(発光体やCGの光や水もすごい)し、インディ・ジョーンズ、グーニーズのアドベンチャー映画にもなる。
Filmarks の方も仰っていたが、もはやモンスター映画やファンタジーのように壮大になり、現代ホラーは消えていく。怖さゼロが新しい。

血の海は『ポーラX』に比べるとめちゃめちゃダメ、弱い、あの顔(ジェシカ・チャステイン)をそのまま液体で処理しちゃダメ。もう一方の男の方のあれもダメ。
冒頭、家の前の手摺に結婚指輪を置き、雨の中を濡れながら早歩きで歩くジェシカ・チャステインの姿はよかったし、水面バストアップのチャステインは意外にも胸が大きいことに気づくことはよかった。彼女の他の映画でもある、いつものあの絶望と茫然とした表情(ときに声のない涙を流す)はまぁ普通にぐっときた。おばあちゃんのくだりはよい。マカヴォイの自転車エピソードもいい。

それにしても友情物語と人畜無害のスタンドバイミー回想が全体の2/3って、企画失敗でしょ、誰が主人公なんだ! マカヴォイ身長低いよ!
もうピエロいらねえじゃん弱いし。大人になっても感情論、精神論(幻想の恐怖を克服し友達で団結すると勝てる)で闘って勝てるとか、なんだろうか。

観る前は、この尺に見合った現代的な解決や戦略があるのかと思ったら、なにもなく、単に描きたいことを脚本にしたらこうなりましたみたい感じで。感動系を装うエピローグにも何も感じない(チャプター1 は子どもだから許せたし、あの切ないキスはよかった)。街を去りゆく車をクレーンで上昇しながらとか、これなんですか?

マカヴォイのなぞのキャリアをまた一つ観ることができたのは、いいことなのでしょう。気になって行ってしまうんだよな、この手の映画。でもにくめない...キング原作。

他のレビューの方で『ラストエンペラー』163分(劇場公開版)より長いみたいですね。うける。3も期待してますよ、27年後、67歳のマカヴォイ
harunoma

harunoma