みなりんすきー

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。のみなりんすきーのレビュー・感想・評価

4.0
『お前達から恐怖の臭いがプンプンするぞ』

『バラバラになっちゃダメだ 皆で団結しなきゃ』

『人はいい思い出に浸りたがる』


■ あらすじ ■
ペニーワイズとの闘いから27年。ルーザーズクラブのメンバーはほとんどがデリーの町を出て暮らしていた。マイク1人を除いて。彼はあれからずっとデリーに住み続け、ピエロに関する調査を行っていた。
ある晩、サーカスやアトラクションのある遊園地の近くで男性のバラバラ死体が見つかる事件が起こり、それを聞いたマイクは現場へ急行する。橋の横に、「COME HOME」(帰ってこい)と血文字で書かれているのを発見し、奴が戻ってきたのを確信する。マイクはあの約束の通り、ルーザーズクラブのメンバーに連絡を取り再びデリーに集めることにするが…


■ 感想 ■
『IT / イット THE END ”それ”が見えたら、終わり。』
(『It Chapter Two』)

90年のオリジナル『IT』、2017年のリメイクで前作にあたる『IT ”それ”が見えたら、終わり。』どちらも鑑賞済。前作は劇場で鑑賞したので、今作もはりきって劇場へ。笑

正直続編となる今作の方が個人的には好きでした。文句の付け所が無さすぎるのと、純粋に”ホラー”としての”恐怖度”は増してる。前作はあくまで”青春ホラー”の青春要素が多く、本当に『スタンド・バイ・ミー』にちょっとホラーを足したような作りだったんだけど、今作はしっかりとホラー映画として完成度を上げてきた印象。そしてストーリーも、前作の27年後ということで、ルーザーズメンバー達もすっかり脂ののった大人に。だけど、”それ”に対する恐怖心やトラウマは何も変わってなかった。27年振りに集結し、再び手を取り合うというのはそれだけでもアツいものがあり、前作を楽しめたファンにもサービス精神は旺盛で、クスッとなれる場面が多々ある。逆に言えば、前作を観ていないと確実についていけず楽しめない作品ではあります。(いきなり2から観る人はあまりいないと思いますが…)

前作で個人的に1番カッコイイと思っていたビルを今作演じたのがジェームズ・マカヴォイだったというのもちょっと嬉しかったり。観る前から分かる安心の演技力なので。顔もカッコイイしね。それぞれちょっと名残を感じるような配役だったのも素晴らしいんだけど、ひとつ言うとすれば、リッチーの大人役はちょっと…メガネ以外全く雰囲気似てなくてちょっと残念だった(笑)というのも、仕方ないことだと思うんだけど、子供リッチー役が『ストレンジャー・シングス』で主人公を演じてるフィン君なんですけど、個人的に彼が凄い好きで🥺💞かっこよさと可愛さ兼ね備えてるんですよね…気になる方は是非Netflixドラマの『ストレンジャー・シングス』をご覧下さい…(笑)

ホラー度が増したということで、勿論残酷描写もグレードアップしてます。結構子供だろうが大人だろうがガンガン惨殺されていきます。ペニーワイズ本気出てきた感がありました。彼も27年間ルーザーズに復讐しようとずっと地下で滾っていたのでしょうね。パワーが凄かった。
そういうのもあってか、本編は3時間近くに及ぶ長編なんだけど、全く退屈に思わなかったし、あっという間に終わってしまった。そのへんも、高評価のひとつ。観る前までは、「3時間!?長過ぎだろアベンジャーズかよ」とかちょっと笑ってたんですけど、観てみたらもう全然。長さなんて感じませんでした。それどころか、なんか不思議とずっとあの世界を見てたくなる。怖いはずなのに、なんか見ていたくなる。それは多分、ルーザーズのメンバーの居心地の良さや、あの”恐怖”と”笑い”を綺麗に混合させた、スティーブン・キングの力なのでしょうね。怖いはずなのに、シュールすぎてつい笑いがこぼれたりとか。そんな場面がいくつもあったし、絶対嫌なことが起こるのに、それを分かっているからこそ色々期待してワクワクしちゃったりとか。あの感覚は凄く新鮮で、「あ、今自分はホラー映画を純粋に楽しめているんだな」とか、そんな実感が湧いたりしてました。ホラー映画なんて死ぬほど観てきたけど、そんな感覚に浸れるのは本当に貴重なことなんです。あのおばあちゃんが登場したシーンなんて、もうはじめっからニヤニヤしちゃったよね(笑)いつ全裸になるかなーと思って(笑)

スティーブン・キングの遊び心も感じられて、あるシーンでは彼本人が登場してきます。出た瞬間、「出たよーやっぱそういうことしてくるか(笑)」と笑ってしまいました。本当に自分の作品を愛していて、楽しんでいるんだなぁなんて思ったり。

ちょうど今作観た日の夜に、地上波で前作が放送されてたので鑑賞したんだけど、結構密に繋がっているシーンがあったりして、「あ、ここってここの後だったのか!」と分かったりしたので、これから鑑賞される方は、もう一度前作を復習してから観るのもいいと思います。意外と忘れてる場面あったので(笑)