マツシマ

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。のマツシマのレビュー・感想・評価

3.4
アメリカの田舎町デリーで起きた住民連続失踪、怪死事件を元凶であるペニーワイズを撃退することで沈静化に成功した主人公達「ルーサーズ(負け犬)」

27年の時を経て、再びデリーの町にペニーワイズが現れる
「それ(IT)が蘇ったなら、再び集まって戦う」
子供時代の誓いの元に再び集結するルーサーズだったが、何故かそれぞれの記憶からあの夏のことが抜け落ちているのだった……


ドキドキジュブナイルホラーアドベンチャー大人編

90年版の後編にはズッコケさせられた私も、今回のリメイクには期待値マンマン
かかってこいや面白ピエロ!!!

と鼻息も荒くなりました


まずスゲーーーと唸ったのは
大人版のキャストの絶妙な「面影あるーーー!!!」感
いや、当たり前なんですがそんなワケないんです
だって子供時代の役者と大人時代の役者は別人なんだから!
なのになんか「面影ある」んですよ!
太っちょ君なんてべらぼうにイケメンに成長してる設定なのに、なんか目元にしっかり面影あるんですよ
「えーーーー!?あんたこんなイケメンになったの!?嘘ー!!別人じゃん!!!…………あれ?あ、いや、確かに……そうだわ。うん!目元とか結構面影あるじゃん!!!なんだー!久しぶり!痩せたねーー!!」
みたいな同窓会で久々に会ったクラスメイトの気持ちになれます
キャスティング神

さて、このITという作品は、物語の構造上どーーーしても後編がパワーダウンします
少年少女が奮闘、成長する物語である前編に比べると、大人が混乱して克己する後編はモチーフとして弱くなるなと
大人の克己潭でも素晴らしい作品も沢山あるのですが……

そして何より「怪物の真の姿に触れてしまう」のが難しい
怪物は正体不明の時が最も恐ろしく、古来その姿と名前を暴かれると途端に弱体化するものですが、まさにそれ

つまり怪物は現れるまでが1番恐ろしいのですが、後編ではそれと真正面から対決してしまう

時々現れては恐怖を振りまく前編と違い、もう終盤は姿丸だしで大暴れ
物理力は怖いけど、ホラー映画としてはもうほとんど怖くない

だからもうパワーダウンはどーーーーーしよーーーもない!

ただ制作陣もそれを踏まえてか、ITとの対決前に沢山の恐怖ポイントを用意してくれており、その各シークエンスはとても良いので、十分満足感はあります
肝心のボスITよりも、前フリの奴らの方が良い仕事してました
前座がメインを食っちまったい

とはいえ肝心のホラーポイントも基本的には「ビックリ!!!」に特化しており
「怖い」というより「驚く」
とにかくデケー音と怖いかお出しときゃええやろ感は否めません
それぞれの造形が良いので全然アリなのですがホラー映画として素晴らしい出来とは言いにくいかなという……(厄介なホラーファンという感じでウザいですね)

ということで、構造上どうしても失速してしまう後編を、それでもなるべく面白いモノにしようという気概も良いし、実際良い水準の映画になっていると思いました


ゴチャゴチャ書いたけど、完全に原作漫☆画太郎になったシーンがあっただけで私は大☆満足です!!!!!!

ITチャプター2をコミカライズするなら漫☆画太郎先生1択!!!!!!!