いのさん

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。のいのさんのレビュー・感想・評価

3.8
《ITがTHATに変わる瞬間》

(あらすじ)

連続児童失踪事件が多発し、その事件の犯人が”それ”と呼ばれる殺人ピエロ、 “ペニーワイズ”であることを突き止め苦戦しながらも撃退した「ルーザーズ・クラブ」のメンバー。
「再び“それ”が現れたら僕たちも戻る」と誓い日々を過ごしそれぞれ別々の職に就きながら順風満帆な人生を送っていた。
27年が経ったある日、”ルーザーズ・クラブ”のメンバーの1人が自殺を図り、その壁には大きく「IT(それ=ペニーワイズ)」と書かれていました。
「再び“それ”が現れたら戻る」と誓った27年前の約束を守るため、彼らは田舎町デリーに戻り事件の真相を追うことになる。

(感想)

恐怖再び。今作は忍び寄る恐怖から追いかける恐怖に変わり、ITへの27年越しの復讐劇が始まる。ただ2作目はホラー要素が少なくなったのか?と言われたはそういうわけでは決してない。
私自身50回は驚き、50回死ぬかと思った。

ピエロの恐怖はいつまでも続く。いつかその事を忘れてしまっても、また嫌な記憶が蘇ってくる。
まさしく、幼少期の記憶を大人になってしまったが故に、ほとんど忘れてしまっている悲しい今の人々を映し出しているように感じた。
ITはその意味で、子供の頃の記憶を呼び戻すトリガーのような役割を今作では発揮していた。

いつのまにか、IT(その存在)は忘れられてTHAT(あの存在)になっていた。

時の経過が少し哀愁を漂わせます。
ホラーなのにやっぱり好きな作品です。
いのさん

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