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ラブソングに乾杯のemilyのレビュー・感想・評価

ラブソングに乾杯(2016年製作の映画)
3.7
三歳の娘を愛してるし、幸せだが夫は仕事でほとんど家に帰ってこず空虚感を感じていた。そんな時親友は久しぶりに遊びにきて、二人は親密な関係になるが、あっけなく終わりを迎え、数年後再会する。

娘を愛してる。しかし不在の夫と一人での子育てに孤独感を感じており、笑いながらもこころの闇を感じさせる。閉鎖的なカメラワークと不穏な音で心情を浮き彫りにする。ミンディが現れると、張り詰めてた糸が自然に切れて、涙が溢れでる感じがリアル。

二人で出かけると一気にいつもの景色がきらびやかになり、開放的な表情を見せる。閉鎖的だったカメラも一気に開ける。寂しさを埋めるように二人は親密な関係に。しかし二人の間にはしっかりと距離感を感じさせ、それが女友達として超えられないものであることをしっかり感じさせる。二人は正反対の性格で、誰にでも心をひらくミンディに時折軽いヤキモチをやいたり、不穏な表情を見せ、繊細に友情関係の隙間を見せてくれる。

再会してからもサラの目線でミンディたちをみる。サラは孤独で友達もおらず、それに反してミンディは友達に囲まれており、娘だって懐いてる。しかしサラも動く。この瞬間を楽しもうとそして祝福しようと。芽生えた恋心への混乱と葛藤を言葉ではなく表情でみせていく。結ばれることだけが幸せではない。相手の幸せを願うこと、相手が幸せになることだって私の幸せなのだ。


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