湯っ子

ファウストの湯っ子のレビュー・感想・評価

ファウスト(1994年製作の映画)
3.8
「アリス」が良かったので、配信で観られるシュヴァンクマイエル作品を鑑賞。
次に何が起こるか、何が出てくるか、全く予想のつかない不思議な映像の連続。あやつり人形やら粘土人形やらが、おどろおどろしくもたどたどしく動く。廃材みたいな鉄の板?を叩いて出すグワワワ〜ン!っていう音で悪魔を表現しているのが好き。原作は読んだことがなくて、wikiであらすじを読んで臨んだけど、結末は違うらしい。なんだろう、ちょっと不条理コント?みたいなオチ。

2作しか観てないので単なる当てずっぽうなんだけど、シュヴァンクマイエルは人間が嫌いなような気がする。子供の頃から食べるのが嫌いで、栄養不足で体が弱って車椅子で学校に通っていた時もあるらしい。「食」をここまで執拗にグロテスクに表現するのはそのせいみたいだ。食べるのが嫌いって、生きるのが嫌いってことじゃないのかと思ってしまう。食べることも生きることもグロテスクだ、って言いたい気持ちもわかるけどね。
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