グレインの作品情報・感想・評価

「グレイン」に投稿された感想・評価

Solaris8

Solaris8の感想・評価

4.2
10/28 東京国際映画祭でグレインを観た。近未来のディストピアの都市で遺伝子組み換え技術を駆使した農地の穀物が原因不明の病いで死滅する。ディストピアとはユートピアの反対語で統制された社会を指す。シリア難民やクルド人問題でトルコも統制という言葉は他人事でないと思うが、日本でも会社に勤めていると内部統制という言葉を時々、耳にする。

映画では、遺伝子操作して人工的に作った穀物は、遺伝子カオス理論のM素粒子が無いため、子孫の世代で何れ、全滅すると云う仮説が立てられる。

その遺伝子カオス理論を予見して疾走した会社の同僚を探すため、ある会社の遺伝学者が、移民の侵入を防ぐ磁気壁を突破して、汚染された荒野に同僚を探す旅に出る。

汚染された荒野に行くには案内人が必要で、荒野を描く雰囲気や主人公の行為が、タルコフスキーの映画「ストーカー」に似ている。

同僚を探し出し、主人公と同僚が二人で、荒野を彷徨う事になるが同僚は土を耕し種を撒こうとしていただけのように見え何の目的で彷徨っていたのか、理由がはっきり分からなかった。

上映終了後に監督の舞台挨拶が在ったが、映画の中に時々、出てくる「息吹か、穀物か」と云う言葉はトルコの有名な詩人のユヌス・エムレが残した言葉だという。トルコというと昔、ユルマズ・ギュネイ監督の映画で赤茶けたトルコの不毛の大地を想い出すが、映画の中で、主人公と同僚が汚染されていない土を水辺に近い場所に運んで、植物の種から畑を作ろうとする場面がある。

映画の中では、ある生き物が運ぶ土の中に眠る植物の種に息吹を感じたように見え、不毛な大地に息吹を探し育むような神話的な意味が在るのかもしれないが、息吹の意味が掴めない。メッセージ性は感じる映画であるが、息吹か穀物かの意味が分からない限り、この映画の事は語れない。
東京国際映画祭
nccco

ncccoの感想・評価

2.9
TIFFで。
プログラム担当がラブコールで招待した作品なので熱が入っているなと思ったけれど、これがグランプリ受賞と聞いてちょっと驚いた。

遺伝子系のテーマでSF風と書いてあったからテッドチャン的ストーリーを期待したんだけど、全然SFじゃなくて哲学系のアート作品でした。
主人公が謎を解くためにボーダーを超えるところまでは面白かったけど、それ以降は知識を試されるつくりで、個人的にはかなり単調でした。

印象に残る「息吹か?穀物か?」という台詞は、現代トルコ語の起源となった、詩人ユヌス・エムレに由来するものだそうで、息吹が精神を、穀物が物質を表すという。このあたりの背景を知っていれば深みのある作品だっだと思うけど、正直知識不足で観ている間は理解できない部分も多々あったので残念。

遠景シーンがいつまでも印象に残るモノクロ映像の美しさは素晴らしかったです。
ジャン=マルク・バールが主演ということで鑑賞した。SF映画だが現代の社会問題を念頭に置いた設定は上手く作られている。だが、白黒で台詞も少な目な為か途中で居眠りしてしまった。
東京国際映画祭 EXシアター六本木
しば

しばの感想・評価

2.0

このレビューはネタバレを含みます

眠かった。
なんでグランプリなのか凡人には理解できません。
第30回東京国際映画祭のグランプリ受賞作品。
遺伝子改良を施し栽培していた穀物がある時一斉に遺伝子不全に見舞われる。その原因を調べるうち、過去にこの事態を予測していた一人の学者の噂を聞き、主人公は彼を訪ねる旅を始める…というストーリー。
作品は様々なことを主人公や観客に投げかける。物質だけを追い求めていく先にはどんな未来が待っているのか。物質よりも大切にしなければならないものは何なのか。息吹か、穀物かーー?
監督が世界を巡るうちに見てきた現状から問題意識を持ちこの作品を作ろうと思ったこと、今回の撮影ではロケ地が様々だったのでそれぞれの街のテイストを揃える目的もモノクロにはあったこと、劇中での重要な問いかけである「息吹か、穀物か?」の台詞はトルコの詩人の言葉に由来する等、QAで伺った話も非常に興味深かったです。
映画の中で出てきた、空腹にどうしても堪えなければいけない時は胃のあたりに石を紐で巻きつければ紛らわせることができるという解決策は地味に便利そうなライフハック。仕事中にお腹が空いたら実践したいと思います。
悠

悠の感想・評価

-
東京国際映画祭グランプリ作品。

「我々が生きる一瞬一瞬が世界に害を与える原因となっている。過剰消費や過剰資本主義など・・・。人生を、そして人間性を大切にしよう。どこからやって来て、どこに向かっているのかを理解しよう。わたしはひとりの監督として大地に、種子に、自然に尊敬の念を込めて、この映画をつくることを心がけた。神がわたしにこの映画をつくる機会を与えてくださった」

GRAIN
モノクロで描く退廃した地球を舞台に、民族、環境、信仰、さらに人類のエゴetc壮大なテーマが見え隠れするSF作品だった。おっさん二人、時に抽象的な映像差し込まれ、その独特の世界がツボった作品だったが、ちょくちょくよくわからなかったので再見したい。2回見るにはしんどい…
Naoya

Naoyaの感想・評価

2.7
食料危機に見舞われている、荒廃した世界が舞台のSF作。荒廃した世界で、穀物の栽培を救う遺伝子操作を求めて、種子の遺伝学者が旅立っていく。モノクロだからこその、荒廃した世界、退廃した雰囲気がよく出てる。SF要素はあるが、ロードムービーのような雰囲気。主人公が血気盛んな若者や、選ばれた人間ではなく、一人の科学者という設定も味がある。ダークなディストピアを描いた作品としてもあり、モノクロながらのアートな要素も漂う作品。SF作であり、様々な近代的な要素も混ざる、近未来作。地味だがSF作らしい不穏さがありつつ、壮大な雰囲気もある。物語に対し全ての説明があるわけではないので、答えを求める人には不向きな内容でもある。
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