このレビューはネタバレを含みます
記録
時代の移り変わりに取り残された男。
事件はどんな形であれ解決を迎えたことにより、1人残された空虚感が尋常ではないほど押し寄せるラスト。
だが、実際には取り残されたというよりは、変化についていけずに、その時代にしがみつこうとしていたのではないかと思う。事件に執着して自分を満たそうとしているのがその証拠ではないだろうか。
『薄氷の殺人』が好きなので比較されてしまうのは可哀想だが、殺人事件の謎解きがメインではないところや、
事件を通して明るみになる人間性を描いたドラマとしては似ている。
欲を言えば、女性が犯人の囮にされるのを知るシーンは、彼女が1人で気付くよりも、もう少しドラマチックにしてほしかった。