CHEBUNBUN

マリリンヌのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

マリリンヌ(2017年製作の映画)
3.0
【この映画を待っている人がいる】
正直、個人的にはハマらなかった。予習に観たギョーム・ガリエンヌの「不機嫌なママにメルシィ!」が合わなかったので期待はしていなかった。無論、本作は「不機嫌なママにメルシィ!」よりかは断然面白い。だが、ダメだった。

駄菓子菓子、この映画は日本公開して欲しい、この映画に救われる人がいるはず、なんならもし私が絶望の淵に立たされている時に本作を観たら元気になるだろう。そんな処方箋のような映画だった。

父を失い、葬式に出た後、女優を夢見て映画の撮影現場に行った少女。しかし、現実は厳しく、いきなり娼婦役をやらされ、監督に罵声を浴びせられ、周りのスタッフ役者に虐められる。心が真っ二つに折れた彼女は、女優を諦め仕分けの仕事に就くが、酒に溺れ、周りとのコミュニケーションの仕方も忘れ、心身ともにボロボロになっていく。

そんな悲劇のヒロイン・マリリンヌの地を這いつくばる様子に胸が苦しくなる。誰しもが人生の壁にぶつかる。その壁が人間関係に起因すると厄介。承認欲求は満たされず、政治的に疎外されていく。

そんな地獄絵図から微かな希望の光によって脱出していくマリリンヌのカタルシスに、心病んでいる方は癒されるだろう。

そう、本作は「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のような処方箋映画だったのだ。だからこそ、日本公開を私は希望する。
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