杏

聖なる泉の少女の杏のレビュー・感想・評価

聖なる泉の少女(2017年製作の映画)
3.5
終始彩度の低い画面に映る透き通った水や深い霧から気温の低さや風邪や空気の冷たさ伝わってきた
基本的にBGMが無い中所々で流れるジョージアの伝統的な音楽(多分)や工事現場の騒がしい音が印象的
話の内容自体は結構わかりやすい。ジョージアに伝わる民話がベースになっているんだとか

桶の中で浅い水に使ってどこか窮屈そうな魚が主人公ナーメの姿と重なる
終始画面が暗いからこそナーメがメラブと初めてちゃんと言葉を交わしたシーンやギオルギが父と楽しげに話すシーンに差し込むあたたかい陽の光が際立っていた
途中に出てきた街や工事現場の殺風景で冷たい雰囲気が美しく雄大な自然と対照的で印象に残った

静かで美しい映画だった
杏