安堵霊タラコフスキー

聖なる泉の少女の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

聖なる泉の少女(2017年製作の映画)
3.9
第30回東京国際映画祭のコンペティション部門で見たくなった数少ない作品(でもこれ以外は日程が合わなかったり売り切れたりして断念)

予告や監督がVimeoでアップしてる動画を見ても思ったことだが、監督自身がQ&Aで言明していたように言葉でなく極力映像で表わそうという姿勢があって、本編も全体を通して言葉少なく美しい表現が連続したもので、手持ちカメラがちょっと好みに合わなかった場面も少々あった点を除き共感と好感を覚えた

具体的にどういう点に感じられたかというと、家で水を浴びる主人公ナーメがさながらキーアイテムの魚のようだった点や火種を吹いて松明に火がつく魔術的なシーン、そして靄が印象的な終盤のシーンがそうなのだけど、特に最後のシーンはここの為だけでもこの映画を見て良かったと思えるくらい素晴らしかった

土着的な映画ということも少しベルイマンやタルコフスキー、アピチャッポンのいくつかの作品と共通した点があったのも好意的に捉えられた理由と考えるが、彼らと比べてしまったらさすがに若干劣ってしまうのが玉に瑕