コレは地味目ながら良作だった。
負け犬って言葉がとても引っかかるんだけど決していわゆる負け犬なんかじゃない。
勝負の世界では敗者なのかもしれないけれど、夫として父親としては間違いなく勝者だ。
決してブレる事の無い、まさに美学と呼ぶにふさわしい確固たる信念を持つスティーブの味のあるカッコ良さがストーリーを追うに連れ強くなる。
多くを語らなくても背中で導く感じは父親としてはお手本のようでもあるし。
「敗者あってのチャンプだろ」
う~ん、もっともなんだけど実に重いなあ、、、
負けが嵩み、年齢に伴う肉体の衰えは否めない。『ロッキー』程のオーラなんて全く感じないんだけど、ランニングシーンをはじめシャドーボクシングシーンに至るまでやっぱり様になるしカッコ良く映る。
引き際って輝いてるうちの方が華やかで潔いかもしれない。けれどボロボロに落ちぶれようと燃え尽きる迄やり切るのもまた美しいと思う。
自分の美学を貫ける人はそれだけで美しいし、素敵な生き方だ。