コーディー

負け犬の美学のコーディーのレビュー・感想・評価

負け犬の美学(2017年製作の映画)
3.6
そうそう奇跡なんて起こらない現実の中で好きなものへの熱を絶やさず、ひたすら這いつくばって闘う中年ボクサーの生き様。

いくら負けても腐らず瞳に宿る光は闘う男のそれ。静かに喰らいつく姿は決して負け犬なんかじゃない!
そりゃ勝ってほしいけど父の格好良さを誰より側で感じている娘、そんな父娘の関係も素敵でした。才能云々より納得のため足掻き、支えてくれる家族のため負けても勝つ!を身を以て示す!そこに惨めさなんて微塵もなかったし闘う父ちゃんカッコ良かったよ〜

ボクシング映画と言っても負け続けの中年ボクサーが主人公、さらにフランス映画ってことで華やかさもなく飾り気抑えたドラマ。前半ウトウト眠気に襲われもしましたw
それでも脚光を浴びることのない人生にも充実の瞬間は訪れることを優しく教えてくれる良い映画でした。マチュー・カソヴィッツの哀愁も絶品やけど娘オロールの笑顔と優しさもとても温かく沁みました。